なるほど!をお届けする仮想通貨情報メディア

  • BTCBTC

    943,095円

  • ETHETH

    20,088円

  • ETCETC

    513.92円

  • LTCLTC

    6,464.3円

  • BCHBCH

    30,199円

  • XRPXRP

    29.249円

  • LSKLSK

    0.0000円

  • XEMXEM

    4.3139円

シンガポール政府、ブロックチェーン産業の活性化に向けた取り組み開始

ブロックチェーンを利用した通貨である仮想通貨の利用は、従来の法定通貨と比較して土地的な制約を受けにくいと言われています。ブロックチェーン産業自体の発展についても、既存の諸産業と比較すれば土地的制約が少ない産業ではありますが、やはり政府の施策などに影響を受けます。今回報道されたところによると、シンガポール政府がブロックチェーン産業発展のために複数のスタートアップへの出資を表明したとのこと。こちらの記事では、シンガポール政府の方針や今回の施策による影響、さらにはブロックチェーン産業活性化に前向きな国などについて紹介していきます。

シンガポール政府傘下組織、ブロックチェーン産業活性化のために出資を決定

シンガポール国内におけるブロックチェーンコミュニティの活性化のために施策を打ち出したのがシンガポールの情報通信省(Ministry of Communication and Information、通称MCI)の傘下組織である情報通信メディア開発庁(The Info-communications Media Development Authority、通称IMDA)です。シンガポール国内においてブロックチェーン技術はフィンテックの分野における開発・活用が進められているものの、フィンテック外の分野における開発や利用が遅れているとし、複数のテクノロジー系のスタートアップ企業に対して出資支援することを決定しました。

ブロックチェーン技術の活用方法として一番メジャーなものといえば仮想通貨。このよにフィンテック系の分野においてはいち早くブロックチェーン技術の活用が進みました。しかし、シンガポール政府は、ブロックチェーン産業を発展させ同技術を広く普及させていくためには多くの分野における相互運用性を確立することが重要であると課題設定し、今回の支援に踏み切ったようです。

特に、BtoCのビジネスモデルを持つ企業にとって、既存のビジネスモデルにどのようにブロックチェーン技術を関連付け取り入れられるかという点はなかなか見えにくいもの。フィンテック外でのブロックチェーン技術利用拡大がブロックチェーンの発展に寄与するのみならず、国内の産業全体を活性化させる起爆剤となる可能性もありそうです。

支援を受けるための3つの条件

シンガポールの情報通信メディア開発庁が行う支援ですが、受けるためには3つの条件を満たす必要があります。一つ目は、企業へのブロックチェーン技術の普及に注力している企業であることです。単なるブロックチェーン技術を扱う企業であることを要件とせず、「企業への」「普及に注力」とした部分に今回の施策の目的が表れています。

2点目の要件は、「シンガポールのブロックチェーンコミュニティに直接参加していること」です。国内での提携促進のためにはコミュニティでの関係構築や情報交換が不可欠であるとの認識と考えられます。シンガポールの仮想通貨・ブロックチェーン業界団体と言えばACCESS(アクセス)が代表的ですが、アクセスはシンガポール政府とも組んでブロックチェーンの普及につとめています。このように、シンガポール政府とシンガポールの仮想通貨コミュニティ間に既に協業関係があることを鑑みると、2つ目の要件は外せない要件だったのではないかとも推測されます。

3点目の要件ですが、支援を受ける企業は「中国やアメリカシリコンバレー等の海外ブロックチェーンコミュニティと関係を持っている」ことが求められます。この3つの条件をまとめると、支援対象となるのはスタートアップとは言っても既にフィンテック以外の分野でのブロックチェーン活用を支援しており、国内外からも信頼を集める企業であることが求められているようです。

シンガポールの方針:「スマートネーション」実現のために様々な施策を実施

情報通信メディア開発庁(IMDA)はこの他にも、先見的なブロックチェーンソリューションを提供する企業に報酬を与えるシステムである「Blockchain Challenge」という取り組みを行っています。最終的にはシンガポールを「スマートネーション」とすることを目的とした取り組みの一つとのことです。

また、2018年8月末には中国政府と共同でChina Singapore ICM Joint Innovation Development Fundを設立。シンガポールと中国の両国国内におけるブロックチェーン関連技術やIoT(Internet of Things)、AI(人工知能)関連の開発を行う企業に対して出資を行なっています。このように、「フィンテックのみ」や「シンガポール国内のみ」ならず、他国や他の産業分野への広がりを意識した投資を行っているのが特徴と言えます。この他にも、シンガポール政府はスマートネーション実現のためにいくつかのプロジェクトを運用しています。

Temasek Holdingsがブロックチェーン特化のチームを編成

Temasek Holdings(テマセク・ホールディングス)はシンガポール政府が所有する投資会社です。1,980億超のシンガポールドル(SGD)を運用しており、金融、通信、メディア、テクノロジー、交通、運輸、不動産、エネルギー、資源など多岐にわたる会社の株式を保有しています。このたび、人工知能とブロックチェーンが長期的なトレンドになるとの見込みから同社においてこれらの分野に特化したチームが新設されることになったとのこと。今後注力されていくとともに金額的にもさらに大きな額が投じられていくものと見込まれます。

シンガポール金融管理局(MAS)とシンガポール証券取引所(SGX)、ブロックチェーン技術を活用した決済システムを開発

2018年11月、シンガポール金融管理局(MAS)とシンガポール証券取引所(SGX)が、ブロックチェーン技術を使用した決済システムの開発を行っていると報道されました。システムはDelivery versus Payment(DvP)システムと呼ばれており、トークン化された資産における決済システムです。政府組織主導の決済システム開発はスマートネーション実現に向けた重要な一歩であり、このニュースは国際的にもかなり注目を集めました。

このように、シンガポールでは政府が仮想通貨・ブロックチェーンの利用・活用を推進しており、制度や支援も世界トップレベルで充実していると言えます。さらに、中国の仮想通貨取引所であり世界最大の取引量を誇るBinance(バイナンス)もシンガポールへの進出を表明しています。バイナンスでSGD対仮想通貨の取引が可能になれば市場もますます活性化していくでしょう。

各国におけるブロックチェーン産業支援の取り組み

シンガポール以外にも国を挙げてブロッくチェーン産業に力を入れているケースが散見されます。こちらでは主要なケースを紹介していきます。

中国におけるブロックチェーン産業支援の取り組み

仮想通貨やICO、マイニングに対して厳しい姿勢をとっているイメージが強い中国ですが、ブロックチェーン自体についてはその有益性を早期から認知し推奨する姿勢を見せています。習近平国家主席の発言の中でも注力分野としてブロックッチェーン産業の名前が上がりました。また、世界で申請されるブロックチェーン関連特許の殆どが中国企業のものであるとのリサーチもあります。

中国のブロックチェーン工業団地が発表したポリシーの中にはブロックチェーン関連スタートアップ企業に対する助成金の支給も含まれており、その金額規模は数百万ドルに及ぶとのこと。このようにインセンティブを支給することで、国内のタレントをブロックチェーン産業に呼び込もうと目論んでいるようです。企業のみならず個人向けにも再定住手当やその他の助成金が支給されます。

アメリカにおけるブロックチェーン産業支援の取り組み

アメリカの大手IT企業であるマイクロソフト社は、政府機関のニーズに応えるためにAzure Governmentというブロックチェーンを利用したプラットフォームを作成。サービス提供を開始しています。同サービスでは、クラウドインフラのアメリカ政府官庁や防衛関連機関に提供するなどの機能を有しています。こういった政府関連組織におけるブロックチェーンサービスの利用は日本における公共事業同様、業界全体を潤すものとなり得ますし、今後もブロックチェーン産業が推進されていくだろうという安心感が新規参入を呼び込みやすくします。

マイクロソフトの他にもFactom社は透明なシステムとデータ来歴に重点を置いてブロックチェーン関連技術の開発を行っており、アメリカ合衆国国土安全保障省から19万9,000ドルにおよぶ助成金を受け取っています。基本的にブロックチェーンを推進する姿勢を取るアメリカ政府ですが、助成の対象は政府が利用するシステムなどと関連する企業に集中するようです。

イギリスにおけるブロックチェーン産業支援の取り組み

イギリス政府は今後運営においてブロックチェーン技術を広く採用していく方針を打ち出しています。また、国家の要とも言えるイギリス内務省(安全保証省にあたるもの)においてもブロックチェーン採用に向けた動きがあるなど、ブロックチェーンについて有用なものとの認識が強いようです。分散型台帳やブロックチェーン技術は、土地の登記や投票システムに応用されていく見込みとのこと。もともと金融大国で仮想通貨取引も盛んかつフィンテック関連の産業も盛んなイギリス。政府の積極的な姿勢がさらにブロックチェ—ン産業を後押ししていきそうです。

まとめ:シンガポールにおける今後のブロックチェーン関連産業の発展に注目が集まる

国の政策は仮想通貨やブロックチェーン産業の発展を抑制したり後押ししたりする作用があります。シンガポールの情報通信省がブロックチェーン関連産業への出資を決定した今回の一件は、間違いなくシンガポールにおけるブロックチェーン産業の発展を後押しするものとなるでしょう。今後のシンガポールの動きに注目が集まります。また、シンガポール政府の政策は今後ブロックチェーン産業を推進しようと考えている国にとってロールモデル的な存在になるかもしれません。最後まで読んで頂きありがとうございました。