はじめに
今年11月27日に、米大手証券取引所ナスダックと米投資企業のVanEck(ヴァンエック)が、「透明性があり、規制され、監視された」デジタル資産商品を共同で立ち上げるためのパートナーシップを結んだことを発表されています。
ヴァンエックのデジタル資産戦略担当ディレクターのGabor Gurbacs氏は、ニューヨークで開催された「Consensys Invest Crypto Conference」にて発表されましたが、ヴァンエック自体は金融サービス会社SolidXとともに、ビットコイン上場投資信託(ETF)を、米証券取引委員会(SEC)に提案しており、最終決定を待っている状況です。
ナスダック(NASDAQ : National Association of Securities Dealers Automated Quotations)とは?
1971年に、全米証券協会(NASD)が開設したアメリカ合衆国における世界最大規模の新興企業向けの株式市場。
情報技術の発展により、コンピューターシステムの証券取引所として登場。
ニューヨーク証券取引所に次ぐ取引高を誇る。
世界的な証券取引所がビットコイン先物をローンチ予定
世界主要取引所の時価総額第二位を誇る証券取引所のNASDAQ(ナスダック)が、2019年前半を目途に、ビットコイン先物をローンチする計画を正式発表しました。
既に11月後半の段階で、同計画はリークされていたが、今回正式に発表されました。
ローンチを実際に行うには、商品先物取引委員会(CFTC)の承認を得ることが条件であるため、数年前から仮想通貨業界に着目し、特に18年度においてはほぼ全期に渡りビットコイン先物商品の実現に向けて取り組んできたと述べています。
その中で、規制当局の承認に関する問題を学術的に検討するため、莫大な資金とエネルギーを投入し、長い時間をかけて深く関わってきていたことを認めています。
仮想通貨市場が混乱を極めるずっと以前から取り組んできていたことを明かし、このことは先物のリリースになんら影響を受けず、引き下がらないという強い意思をみせています。
ナスダックが提供するビットコイン先物の内容について
先物契約の歴史としては、先駆けとして17年12月にシカゴオプション取引所(CBOE)とCMEグループが現金決済にてビットコイン先物をローンチしています。
そして、世界初の現物受け渡しとして、現在の最新情報によるとBakktは2019年1月24日以降にローンチを目指しています。(現在、CFTC(米商品先物委員会)の審査に遅れが出ている状態。しかしながら、情報筋によると既に審査過程は終了しており、コミッショナーによる投票を待つのみであるともある。)
Bakktは、ニューヨーク証券取引所(NYCE)の親企業であるインターコンチネンタル取引所(ICE)により構築されたデジタルアセットプラットフォームです。
今回発表されたナスダックによるビットコイン先物は、MVISデジタル資産価格インデックスとともに、ナスダックのSMARTS市場監視システムを活用するものであることが明らかになっています。
VanEck社の傘下である子会社のMV Index Solutions社(MVIS)は、ビットコインのOTCスポット・インデックス開始を発表し、このインデックス商品が機関投資家に向けて、OTC市場における透明な価格に基づいた取引を可能にするツールです。
過度に変動する価格指数がビットコイン先物の安定性に影響を与え、市場操作が起こりうるというSECの懸念への対応の一環としての性質をもっています。
SMARTS市場監視システムは、リアルタイム及び過去データから検出されるパターンを相関させ、見せ玉注文や馴れ合い取引を追跡する、クロスマーケット監視ツールです。
まとめ
VanEck社のGurBacs氏は、低迷が続く仮想通貨市場の今後に関しても、
「価格は重要でない。ビットコイン価格が1000ドルでも、5000ドルでも関係ない。
正しいカストディ、価格形成、市場監視の3つの市場構造が整っていることが最優先課題である。
それらが整えば、市場は繁栄して、20年後の2038年には1000億ドル規模の市場に成長するだろう。」
と、ナスダック同様、仮想通貨市場の将来に強く期待しています。
大規模証券取引所がローンチする金融商品であるため、他と比較しても信頼性が担保されていると考え、機関投資家が参入を考える大きな契機になるかもしれません。