ETFのゴッドファーザーとの異名を持つレジー・ブラウニー氏はビットコインETFについて「早期による承認は難しいだろう。」との見解を示しています。一方、大手資産会社ブラックロック社も仮想通貨が合法にならなければETFへの参加はしないと述べています。
ETFゴッドファーザー「早期承認は無いと思われる。」
Cantor FitzgeraldでETFグループのシニアマネージングディレクターを務めるレジー・ブラウニー氏はワシントンDCにあるジョージタウン大学の講演で、ビットコイン(BTC)のETF(上場投資信託)が「すぐには承認されることはないだろう。」との見解を述べていたことをビジネスインサイダーの報道で明らかになっています。
ブラウニー氏いわく、当初SEC(米国証券取引委員会)は仮想通貨を運用するための規制的枠組みが策定することができないなかでETFへの承認に対し取り組んでいるとし、
「当面はデータがないため、SECによるETF承認に対し、首を縦に振るのは難しいだろう。」
と発言しています。この講演にはSECの会長Jay Claytonも出席していました。
ブラックロック社CEO「ETF参加は合法になったら。」
世界でも大手の資産運用会社ブラックロック社のCEOであるラリー・フィンク氏は1日CNBCのインタビューにてビットコインETFへまだ参加はしないという見解を述べています。
ブラックロック社は以前から仮想通貨業界に参入との噂があり動向が気にされていました。
ラリー・フィンク氏は今回、仮想通貨業界がもう少し成熟しない限りは仮想通貨ETFの立ち上げはないとしています。
「仮想通貨ETFを絶対に立ち上げないというわけではなく、政府から保証され合法になれば。」
と話しています。さらに他にも理由として仮想通貨の匿名性や脱税、犯罪への利用を懸念点として挙げています。
「現時点では仮想通貨の利用は、違法行為の時にしか必要とはしない。」
と述べ、これらの問題が解決されなければ政府からの承認はないだろうと話しています。
仮想通貨の法整備や規制がまだ追いついていないことを挙げつつもビットコインが持つ政府や既存の金融システムからの独立性が一番の障害になっていると指摘しています。
ただし、仮想通貨は「将来的には資産の保存として取引が行われる可能性は高い。」との見解を示しています。
ETF承認は来年?まだ時間がかかるとの声も
仮想通貨決済スタートアップ「アブラ」のCEOビル・バーンハイト氏もETF申請者は「SECが承認するような商品になっていない。」と承認されない理由を述べ、SECが承認するのは来年になるだろうと予想しています。
アメリカの仮想通貨ヘッジファンドマネージャー、ダン・モアヘッド氏もETF承認について「まだ時間がかかる。」とし1万年もの間、存在していた銅がETFに承認された最新クラスであると引き合いにだしています。
しかし、ダン・モアヘッド氏はETFの延期については悲観的になる必要はないとも述べています。
ビットメックス社のCEO、アーサー・ヘイズ氏は仮想通貨の弱気市場は2020年春まで継続するとの見解を示し、ただしビットコインETFが承認されたら、市場は大きく反発すると持論を展開しています。
SECが現在、却下していないETFは有力といわれるCboeの申請のみであと9つのETFについて再審査を進めている状況です。
機関投資家向けのサービスは活発
ETFに関して遅れが見える一方で、様々な金融企業が機関投資家向けに仮想通貨サービス提供を始めようとしています。有名なのはBakktやフィデリティなどが先物やカストディサービスなどの提供を始めようとしていてこちらの動向も気になります。
有識者の間でもETFよりこちらの方がビッグニュースで注意を払わなければならないと考えている人も多いです。
ビットコインスワップ取引の提供を計画中との噂もある金融企業モルガン・スタンレーの調査部門は1日、仮想通貨とブロックチェーンに関する独自の調査結果を発表し、ビットコインと仮想通貨を新たな機関投資家向けの資産クラスと位置付けています。
このようにウォール街でも有名な企業が仮想通貨に対し興味を示していることがうかがえるかと思います。
一方、機関投資家の参入に障害になっている要因として、
・充分ではない規制や整備、風評被害のリスク
・カストディサービスの不足
・実際に機関投資家の流入が現在ない
などを挙げています。
Bakktのビットコイン先物取引サービスは12月12日に開始となっていて年末から大きな動きがみられるのかもしれません。