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ゼロ知識証明、銀行取引への採用に向けたオープンソースの発表

 

 

導入

オランダ拠点の大手金融機関「ING Group」は、オープンソースのブロックチェーンツールである「ZKSM(Zero Knowledge Set Membership)」をリリースしました。先週開催されたSibosのBanking Cnferenceにて発表されています。このZKSMは、ブロックチェーンを始めとする分散型台帳技術(DLT)のプライバシーを改善することができるとして期待されています。

ING Group

1991年設立の金融機関。世界50か国に事業を展開している。

ZKSMとは?

ZKSSは、「ゼロ知識範囲証明」と呼ばれ、仮想通貨Zcashにおいて中核技術として採用されるゼロ知識証明の応用版として開発されています。ゼロ知識証明とは、存在する情報の中身を完全に伝えることなく、その情報が真実であることを証明する匿名技術です。

今回発表されたZKSMは、「ゼロ知識範囲証明」と呼ばれるように、指定された数字データが特定の範囲内にあることをセキュリティ性を損なうことなく検証する技術です。

分散型台帳技術の実装における課題として、ネットワーク上の参加者がデータの変更を検証する必要があることが挙げられます。情報の信頼性は高まりますが、個人情報などのプライバシーが保護されることは難しくなります。

そのため、「数値が特定の範囲内にあることを、その数値が具体的にいくらであることを相手に公開することなく、証明することができる」ゼロ知識範囲証明を開発しています。

プレスリリース内で提示されている利用方法としては、例えば住宅ローン申請者が自身の収入額が、ローン審査で求められる額の一定範囲内にあるかどうかの検証を、正確な収入額を伝えることなく、証明することができます。これにより、プライバシー性の高い個人情報や顧客の機密情報を安全に取り扱いできたり、取引時間の簡略化やコスト削減などが可能になります。

更に、このゼロ知識範囲証明を将来的には、単なる数字だけでなく位置情報などの地理的な情報からの適用も可能にします。

例えば、顧客の本人確認(KYC)において、そのユーザーが特定の地域の住民であることを具体的な情報を明かさずに証明できるようになります。EU圏内の顧客であることを示すには、まずEUの全てのデータセットを用意し、ユーザーがこのデータセット内のいずれかに該当するデータであるかを証明すればよいことになります。

 

高まる情報流出への対応

データの独占で影響力を強める「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドットコム)」に対して、個人情報流出などのずさんなデータ管理が度々みられ、各国の規制当局の目が厳しくなっています。

例えば、世界で22億人のユーザーを抱えるフェイスブックは、今春に最大8700万人の個人情報、9月下旬にも新たに2900万人の氏名や電話番号などのデータが続けて流出しています。サイバー犯罪集団は、闇サイトなどでこういった流出データを得て、銀行口座番号やネットバンキングなどのパスワードといったさらに重要な情報を盗み取るといった重度の金融犯罪に繋がってしまう懸念があります。

こういった事態を受けて、2018年5月の欧州連合のこれらの企業に対する個人情報保護を強化する規制(GDPR)、各国当局の制裁金や追加課税、立ち入り調査、行政指導など取り締まりが一層強化されています。

コインチェックやザイフをはじめとしたハッキング被害もグローバルな規模で増加している現状で、今後情報や資金をネットワーク上で管理する上で、プライバシーを保護することの必要性は高まっていくことが予想されます。

ZKSMは、Zcash創業者でMITで研究を行うMadars Virza氏からのレビューを受けるなど、オープンソースにすることで、より積極的な同技術の試験・実装といった実用的な部分を目指します。

 

まとめ

最近では、特にブロックチェーンに関連した名だたる企業の出資や技術の採用、参入が増えてきます。

出資や参入面では、資産運用大手のゴールドマンサックスフィデリティなどが大規模出資を行い、カストディや先物などのサービス提供により参入しています。

また、技術採用の面では、マイクロソフトが分散型IDに特化したアプリ開発、トヨタ自動車が広告分析の最適化にブロックチェーンを活用するなど、普及が徐々に進んでいる傾向にあります。

ブロックチェーン(分散型台帳)の相互運用性の高さ、仮想通貨としての資産面、透明性による可視性向上や最適価格の決定など、その実用性が発揮されています。

今後、これらの利用が本格化されていく中で、プライバシー性を損なわない機能があることが重要になってくるでしょう。