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初の個人向け仮想通貨保険サービスが開始 ハッキング被害や攻撃による取引所ダウンにも保険対応

仮想通貨投資はここ数年でかなり一般的になりました。今まで投資を行って来なかった人にも浸透してきている仮想通貨投資ですが、そのリスクの大きさから二の足を踏んでいる人も多いのが現状です。仮想通貨のリスクとしては主にボラリティが大きく値下がりリスクが高いことがあげられますが、他にも仮想通貨取引所がハッキング被害にあい資産が盗難されてしまう恐れや、取引所自体が攻撃によってダウンしてしまう可能性もあります。

2018年10月、そんなリスクを低減するための個人向け保険サービスが初めてリリースされました。今回はその概要を紹介するとともに、同サービスが仮想通貨取引を活性化する起爆剤となりうるのか考察していきます。

世界初の「オンライン保険サービス」がリリース|対象は仮想通貨取引所など

フィンテックなどが2018年10月に報道したところによると、スイスの保険仲介業者であるAspis SAが仮想通貨取引所やウォレット上に個人が所有する仮想通貨資産を対象とした保険サービス「CryptoIns」を提供開始するとのこと。

Cryptolns保険サービスの概要

Cryptolnsが対応する通貨は時価総額1位と2位のコインであるビットコインとイーサリアムの2つ。もし保険事案に該当した場合、支払いは保障されているアカウントの総資産に対して総計算された上でビットコインで支払われるとのことです。CryptoInsの保障ですが、ハッキングによる被害に対して全額保障される他、ハッカーによる攻撃や悪意のある行為によって取引所がダウンしてしまった場合にも適用されます。個人アカウントやウォレットの個人アカウントを対象とする保険サービスは仮想通貨市場において初めての試みです。

Cryptolnsの利用方法は非常にシンプルです。CryptoInsのサイトにてユーザー登録を行い、保険を掛けたい取引所やウォレットを選択するというシンプルなステップで完了します。全てオンラインで完結するので、気軽に申し込むことができます。標準の保険適用期間は90日ですが、拡張オプションとして365日間の保障も選択可能です。Cryptolnsのサービスは、2018年10月現在で現在、28の取引所とウォレットで利用可能となっています。主な取引所は以下の通りです。

  • バイナンス
  • ビットフィネックス
  • ビットレックス
  • ポロニエックス
  • マイイーサウォレット(MEW)

全ての保険金は大手のグローバル再保険会社によって保証されており、Selecta InsuranceやReinsurance Company Limitedが保険証明書を発行しています。なお、保険詐欺のリスクを排除するため保険の適用に際しては最短でも3日間を要す他、保険を受け取る際には国際法に従って必要な書類や顔写真のKYC登録をする必要があります

仮想通貨保険の需要は高まっている

以前から当サイトでもお伝えしていた通り、仮想通貨のハッキングや仮想通貨取引所の資産流出は日本のみならず世界でも相次いでいます。ウォレットや取引所のセキュリティ対策の強化は喫緊の課題となっていますが、同時にサービスを利用する個人としても自衛の手段としての保険サービスに対する需要が一層高まっています。一部の取引所ではハッキング等の被害に対して自主的に保険を掛けていますが、適用範囲が狭かったり、そもそも保険をかけていないケースもあるなど、課題は山積しています。

取引所任せ、ウォレット任せではいけないという機運が依然として強い中、個人向け保険に対する需要はどんどん高まっており、今後も類似のサービスが続々とリリースされることが予想されます。価格競争により保険料も低く抑えられるようになるでしょうし、オーガーなどのブロックチェーンを利用した低コストな保険も登場するかもしれません。相次ぐ盗難やハッキングの報道により信用を失いつつある仮想通貨業界ですが、保険サービスが浸透し資産の安全が守られるようになれば今以上に盛り上がっていくかもしれません。

既存の保険サービス|取引所やウォレット向けの保険

Aspis SAがリリースした世界初の仮想通貨向けの保険サービスであるCryptolnsは、仮想通貨取引所やウォレットを利用する個人向けのものでした。しかし、それ以前にも仮想通貨企業向けの保険サービスは存在していました。

企業向けの保険サービスが早くから提供されていた背景には、仮想通貨業界に無法状態といっても良いほどに悪意ある攻撃や詐欺が蔓延していたことがあります。例えば、仮想通貨取引所に対するハッキングの件数は増加傾向にあります。

仮想通貨関連企業に対する保険サービスはビジネスチャンスだと考えている保険会社もかなり多くいる模様です。資産をオンラインで管理するホットウォレットでは完璧なセキュリティ対策が難しいという背景もあり、仮想通貨取引所に対して提供する保険では保険料を最大で5倍ほど取ることができ、保険会社にとっても収益率が高くなります。既に保険サービスを開始している企業としては、ICO中やICO完了後の仮想通貨スタートアップ案件に対するサポートを行なっているアメリカの上場保険会社のMarsh and McLennanなどがあります。また、同じく大手保険企業のAONは、自社の仮想通貨事業の市場におけるシェアについて、「仮想通貨企業の保険市場の50%は占めている」と発言しています。

一方で向かい風も依然として強い

損害保険を提供する大手保険会社のAIGも、カストディアン・サービスや取引所と共に保険提供に関する話を進めているようですが、どの企業と提携しているのかは一貫して明かしていません。おそらく、ハッキング被害が多発している現状やICO企業が行う保険に関する過剰宣伝が自社のブランディングに対して悪影響を及ぼすと考えているのが理由と考えられています。

このように、仮想通貨関連の保険に可能性を見出している企業自体はかなりいるものの参入はなかなか難しいのが現実のようです。例えば、保険の補償を大きくしたい場合に10以上の引受会社との契約が必要となるそうです。また、価格の激しい変動率や詐欺のリスク等の不規則な性質によりリスクがかなり高いため、保険会社としても一社でそれを引き受けるのは避けたいところなのです。

さらに、仮想通貨関連企業側としては保険のコストがまだまだ高く、現状のコストでは多くのスタートアップにとって保険料が高額すぎてしまうこともしばしばです。また、保険に入っていても保障対象は取引停止などによる損害額に留まることも多く、ハッキングや盗難の被害に対しては補償を受けられないケースも。実際に、仮想通貨企業として初めて2015年に補償を受けたBitgoはそのわずか一年後に保険契約を解除しています。解除の理由は、保険料のコストが負担となったことということです。

現状は参入障壁が高いが、将来性を見込む企業は多い

不安定で規制の整備の遅れが目立つため参入障壁が高いが仮想通貨保険業界ですが、世界の大手保険会社の多くは仮想通貨の台頭を「好機」であると捉えているようで、困難な取り組みでありながらも挑戦する企業が増えています。これまでのところ、仮想通貨の盗難に対する保険を提供している会社はXLカトリンXL.Nやチャブ、三井住友海上火災保険などに限られていますが、このほかにも数社が匿名で取引されるビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を取り扱う企業向けに保険商品を検討しているとロイター通信が報道しています。

仮想通貨界隈ではハッキングや技術的エラー、詐欺行為などが発生しており、一回あたりの被害額も数十億ドル規模に膨らむケースが少なくありません。ハッキング被害によって閉鎖を余儀なくされる取引所も多いです。また、若い産業であるが故に商品設計や保険料の算出の際に利用できるようなデータの蓄積が無く、技術自体を理解している人が少ないといった問題点もあります。こういった中でリスクをどのように補償していくのかは保険業界にとって課題となっています。

一方で、ロイズの仲介会社セーフオンラインでサイバー技術分野を担当するヘンリー・サンダーソン氏がコメントしたところによると、仮想通貨保険は仮想通貨業界という若い市場の成熟を後押しするとともに同時に保険会社に新たなビジネスを提供するものだと考えているとのこと。成長し、成熟しつつある新進気鋭の分野に今参入しなければ、保険会社にとっても機会損失になるとの見方もあるようです。これら、大きいリスクがあるにもかかわらず多くの企業が参入を検討していることからもうかがい知ることができます。

まとめ:個人向け保険、企業向け保険ともに仮想通貨業界と保険業界の成長を後押しする起爆剤となるかも

仮想通貨はまだまだ新興のフィールドであり、まだまだ未成熟と言えます。ボラリティが大きく法整備も進んでいないこと、ハッキングや盗難で一夜にして数十億円規模の損失が発生する可能性があるというその性質から、十全な保障はなかなか難しいというのが現状です。しかし、保険があればこれまで仮想通貨投資に消極的だった層を取り込める可能性があり、低迷気味の仮想通貨業界にとっては起爆剤になる可能性があります。保険業界にとっても、新たな顧客が増えるチャンスとなります。
現状、まだ時期尚早である感じは否めませんが、今後利用者も参入者も増え「当たり前」のサービスになる日が来るかもしれません。最後まで読んで頂きありがとうございました。