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世界初のペッグ通貨GUSD誕生!概要や仮想通貨経済への影響を解説

仮想通貨はここ数年でその存在を広く世間に知られるようになり、主に投資の対象として世界中の投資家を魅了してきました。しかし、ブロックチェーン技術を利用した通貨である仮想通貨ですが、実際の通貨としての利用は思うように広がっていないのが現実です。その理由はいくつかありますが、一つは値動きが激しすぎるということ。黎明期にある現在の仮想通貨は1日に数パーセントも値動きすることもザラにあり、決済手段として用いるのはなかなか難しいと考えられています。

しかし昨今、そんな仮想通貨の欠点を解消する新しい通貨が発行されました。それが「GUSD」です。アメリカドルにその価値を裏付けられた通貨であるGUSDはどんな特徴を持っているのか、GUSDの発行によって仮装通貨界はどのように変わっていくのかを考察していきます。

Gemini Dollar(GUSD)が発行されることに

 

2018年9月10日、仮想通貨取引プラットフォームでるGeminiが発表したところによると同取引所は米ドルに裏付けられたペッグ通貨である”Gemini Dollar”を発行することを決定したとのことです。略称は「GUSD」となります。GUSDはERC20トークン基準にのっとってイーサリアムネットワーク上で構築されています。その信用力や価格安定性は、イーサリアムの強固なブロックチェーン技術とアメリカの公的機関であるニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)により裏付けられていると公式サイトに記載されています。取引所による通貨発行ということですが、GUSDを発行したGeminiとはどのような組織なのでしょうか。

仮装通貨取引所Geminiとは

Gemniはニューヨークを基盤とする信託会社であり、同名の仮想通貨取引所を経営ひています。取引所は2014年にウィンクルボス兄弟によって創業されました。創業後は取引業務の他にも仮想通貨業界においてさまざまな取り組みを行なっており、特にビットコインETFの申請やVirtual Commodity Association(VCA)と呼ばれる自主規制団体の設立は仮想通貨業界においても一目置かれています。

そんな革新的な企業であるGeminiが今回アメリカドルとの「ペッグ制」の通貨であるGUSDを発行しました。法定通貨にペッグされた仮想通貨自体は過去にも発行されていますが、アメリカの公的機関であるNYDFSの認可を得たという点において非常に革新的であると話題を呼んでいます。ところで、ここで言う「ペッグ制」とはどのような制度なのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。

ペッグ制とは

ペッグ制とは、アメリカドルなど特定の通貨との為替レートを一定に保つ制度をいいます。ペッグ(peg)が「釘で止める、安定させる」という意味の英単語であることからもわかる通り、ペッグ制とは為替相場の変動を固定したりごく小さい幅に限定する制度のことです。固定相場制の一つであり、その通貨とペッグ対象の通貨との為替レートは一定に保たれますが、その他の通貨との為替レートは変動します。

法定通貨においてもペッグ制を導入している通貨は複数あります。概ね、貿易規模が小さく輸出競争力が無い国で採用されることが多く、貿易を円滑に行うためなどの理由で自国と結びつきの強い国の通貨と為替相場を連動させます。経済的に弱い国であっても世界経済市場において対等に渡り合うことができるというメリットがありますが、一方で相場維持のためにペッグ対象の通貨を発行する国に金融政策を追随しなくてはならないというデメリットもあります。先述の通り、仮想通貨でもペッグ制を敷いている通貨はいくつか存在します。その中で新たにGUSDが発行された意義や今後の展望を以下で考察していきます。

GUSDは実際に使用される通貨となるのか

現状、仮想通貨はボラリティ(価格の値動きの幅)が非常に大きいため、投資の対象となることはあっても通貨として、すなわち商品やサービスの売買の仲介手段としては十分に機能していると言えません。仮想通貨を利用して商品を購入しようとしても相場によって支払う額が過剰に多くなったり過剰に少なくなってしまう可能性があるからです。

このボラリティの問題に加えて、Geminiのウィンクルボス兄弟は、既存の安定通貨(Stable Coin)の透明性や信頼性・監視という観点での問題が多いという指摘も行なっています。既存のどの安定通貨も、信頼性に関する問題を解決できていないとする中で、アメリカの公式機関によってドルペッグの通貨が認可されたということはかなり大きな進展であるとウェンクルボス兄弟は主張します。

また、GUSDは独立した会計事務所、銀行、セキュリティ企業によって継続的に監査、管理されていくため、仮想通貨の実生活での使用が広がるきっかけになる可能性も高いとしています。

既存のペッグ通貨テザーとの違い

昨今、ブロックチェーンスタートアップ企業によって開発されたPaxos Standard(PAX)と呼ばれるペッグ通貨が公開されました。またその他にもペッグ制をとる仮想通貨としてはすでにテザー(USDT)やTrueUSD(TUSD)、DAI(DAI)などが発行されています。このようにペッグ制を採用する通貨が複数発行されている背景には、ボラティィの低いペッグ通貨で決済利用の可能性を探っている現状や、ペッグ制仮想通貨(主にデザー)を出入金通貨のメインに据える取引所が台頭しているという事実があります。

このように大きな期待の的となっているペッグ制通貨ですが、テザーの担保金であるUSDが同社の口座に存在しない可能性があるといった疑念の声は後を絶たない他、曰く付きの取引所Bitfinexに送金され価格操作に使われているのではないかという懸念の声があるなど、その不透明性は大きな課題の一つとなっています。GUSDは外部の独立した会計事務所、銀行、セキュリティ企業によって継続的に監査・管理を受けていくとのとこで、この透明性問題を解決するのではないかと期待されています。

避けられない中央集権性:GUSDはGeminiの管理下に置かれる

公的機関の認可を受けたペッグ通貨であるGUSDはステーブルコインとして大きな期待を集めていますが、同時に懸念の声も上がっています。ブロックチェーン研究者のAlex Lebed氏の最新の調査によると、GUSDを発行するGeminiはいつでも好きな時にGUSDを凍結することが可能であることのこと。これにより、ブロックチェーンの主要な特徴の一つである分散性が損なわれているのではないかと指摘を受けています。同氏によると、GUSDはERC20Proxyというスマートコントラクトを採用していますが、これにより管理者=Geminiが48時間に一回その内容を書き換えることが可能であるとのことです。これらの内容は実際にGUSDのコードにも記されています。

ウィンクルボス兄弟は繰り返しGUSDのことを説明する際に「規制され、信頼できる、USドルのデジタルな代替品」という表現を繰り返し用いており、そのことを鑑みればこの仕様を採用したことも理にかなっていると言えます。しかし、分散性を重んじる仮想通貨コミュニティからの反発の声は避けられないのではないでしょうか。

仮想通貨界における中央主権的なプロジェクトの動向

分散性を重んじる傾向の強い仮想通貨ですが、仮想通貨界においてはGUSD以外にも中央集権的なプロジェクトが存在します。中でも有名なのがRipple(XRP)です。リップル社はブロックチェーンの承認に関わる一定数のノードを保有、また、XRPを大量に保有しているため、通貨XRPと台帳を管理しているのではないかという疑いの目を常にコミュニティから向けられてきました。リップル社はこの嫌疑を晴らし通貨と台帳が分散型のものであると証明すべく手を焼いています。

また、リップルのXRP同様に分散性が欠如していると指摘されているのがEOSです。EOSでは取引を終了させる権利を持った27のブロックプロデューサーが存在していますが、このブロックプロデューサーたちは互いが互いを認識しておりいつでも悪意ある行動を取ることができてしまうのです。故にEOSは中央集権的であるとの指摘を受けています。運営元のECAFは、この仕組みはロジカルな理由にもとづいたオペレーションであり具体的な意図や理由については日を追って説明すると声明を発表しています。

先述の通り、仮想通貨コミュニティは中央集権的な要素を嫌います。コミュニティに受け入れられて実際に使用される通貨になるためには中央集権的であるとの批判をどのように説明し跳ね返すのかが注目されます。

早くも上場が決定!期待度の高さがうかがわれる

世界ではじめてのニューヨーク州金融サービス局(NYDF)の認可を得た法定通貨ペッグの仮想通貨であるGUSDは、その発表後注目を集めていました。

通貨の発表から数日後には早速Biboxへの上場が発表されて、再び話題を呼びました。Biboxは取引高で世界第9位にランクイン(2018年9月現在)する超有名仮想通貨取引所であり、多くのユーザーがいることから今後GUSDのユーザーが大きく拡大していく土台は整ったと言えるでしょう。しかし、有名取引所への上場が決まった場合従来の仮想通貨であれば相場が大きく跳ね上がりがちでしたが、GUSDに関してはアメリカドルと相場が固定されるため大きな値動きは予想されず、投機目的の購入者も流入しないと考えられます。GUSDの利用者が増えるためにはGUSDを利用できる店舗やシーンが増えていくことが不可欠であり、今後の整備状況に注目が集まります。

まとめ:GUSDはペッグ制の通貨の中でも透明性の高さで注目を集めるが、中央集権性について懸念あり

GUSDは従来発行されていたペッグ制を採用している通貨の抱えていた不透明性という問題をクリアしたという点において将来性の高い通貨であると言えます。一方で、その運営には中央集権的な要素が疑われる面もあり、発行元のGemniが今後どのように解決していくのか注目が集まります。いずれにせよ、実際に使用される通貨を作るという点においては仮想通貨界に新たな局面を切り開く通貨になると言えそうです。最後まで読んで頂きありがとうございました。