目次
導入
ビットコインやイーサリアムのような仮想通貨は、その通貨を使用した取引(販売、購入、保管)の利便性において、透明性や即時性などの点から注目される技術でした。
一方で、暗号通貨が現金通貨と相互運用される(仮想通貨から法定通貨へ為替する場合など)とき、営業時間や対応為替の問題など伝統的な銀行システムとの違いが明確になっていきています。
ウィンクルボス兄弟は、こういった違いを改善する必要があると考え、ビットコインなどの仮想通貨と既存の金融機関などの法定通貨などとを繋げる地盤を作りたいと考えています。
ステーブルコインの発行
ウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所ジェミニが、10日米ドルと1対1の比率で連動する独自のステーブルコインの発行を、ニューヨーク州の規制当局から承認されたと発表しました。
規制当局により認可された初のステーブルコインということで、価格変動性の高さやテザーなどの運営元への不安などを払拭することができる可能性を期待されています。
ステーブルコインについて、「ジェミニ・ドル(GUSD)」と呼ばれ、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が認可しました。
価格安定通貨であるステーブルコインは、ドルとペッグしていて他の仮想通貨のようにボラティリティがない、銀行取引を経由する必要がない、仮想通貨なので送金が容易、といったメリットないから業界内での取引では重宝されています。
多くが資本流出を禁止する中国国内の投資家の需要です。
ステーブルコイン「ジェミニドル」の仕組み
イーサリアムネットワークを基盤
ジェミニドルは、ERC20トークンであり、ユーザーは米ドルを為替口座に入金し、それがスマート契約(オフライン管理)によりトークンに変換され、それがイーサリアムアドレスから引き出すことができるようになります。
連動する米ドル
「裏付けとなるドル準備金は米国の銀行(ステートストリート銀行)に預託する」だけでなく、連邦預金保険公社(FDIC)からのパススルー保険の適用規格があります。
つまり、銀行からの預金を証明する取引証明書をもとにした債権をプール化して保険商品にしていて、仮に投資家からの資金が預金倒れになった場合は、この債権をもとに資金回収することができることを意味します。
テザーよりは投資家の資金の保管に関しての保証が充実しています。
米ドルの残高の保証
「上場している独立した大手の公認会計事務所BPM」が毎月の銀行取引証明書と預金残高の一致を確認し、報告書を公開します。
GUSDのスマート契約に対して、オフラインで第三者機関による独立した厳格な監査を受けることになります。
ステーブルコインに関するニュース
ステーブルコインでは、テザー(USDT)が有名ですが、テザーに関しては一ドルに裏付けされる預金残高への不信や監査機関との提携解消、それらの疑惑を指摘する論文の発表など、大きな話題になっています。
Tether疑惑に関する論文から
また、最近では早速、取引高世界第9位であるBiboxが、ジェミニドルの上場をアナウンスしています。
そして、22日新たに大手取引所HitBTCへの上場を発表しています。
テザーに替わるステーブルコインとして期待されているのが伺えます。
続々と指導するステーブルコインプロジェクト
①ウィンクルボス兄弟のジェミニドル発行に続いて、豪州における大手仮想通貨関連企業二社が、オーストラリアドル(AUD)を担保とした価格安定通貨を発行する計画を立てていることが明らかになっています。
同プロジェクトでは、ブロックチェーン雇用プラットフォームを提供するEmparta社と国内大手取引所Bit Tradeとが提携しています。
完全にAUDに替えることができたり、用途としてEmparta社の雇用プラットフォームでの支払いに使用する予定です。
また、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)やオーストラリア税務当局(ATO)との話し合いは順調であり、カストディサービスを提供する銀行とのパートナーシップを予定しています。
同様に、日本円を担保にしたステーブルコインの発行を中国拠点の巨額ファンドが検討していることが判明しています。
②USDコインのローンチ
サークル社はこの度、米ドルとペッグした通貨である「USDコイン」のローンチをアナウンスしています。
「センター」と呼ばれる関連企業によるコンソーシアムが、ユーザーから受け取った法定通貨をトークンに変換します。
今後は、ポロ二エックス、コインベース、フオビ、OKコイン、Kuコインなどの大手取引所で取り扱いが開始される予定です。
ステーブルコインの注意点
ホワイトペーパーに記載があるように、ジェミニドルはカストディアン(中央管理者)であるウィンクルボス兄弟によって、48時間ごとにプロトコルに変更を加えることができます。
セキュリティインシデント(予期せぬ事態)に備えて、トークンの送金や凍結もしくは不可にすることができます。
「真に分散化され、検閲に抵抗する」仮想通貨が、このような中央管理能力にコントロールされる必要があるのか疑問を投げかける声が上がっています。
まとめ
銀行の現金通貨と仮想通貨とを繋ぐステーブルコインを発行したウィンクルボス兄弟。
仮想通貨のETFの受け入れにも積極的で、精力的にSEC(米証券取引委員会)へ特許の申請を申し込んでいます。
米大手証券取引所のCBOE(シカゴオプション取引所)も、ビットコインETFの申請を行っており、その価格指標はウィンクルボス兄弟が運営するGeminiが提供します。
大手取引所Biboxも、ジェミニドルの採用を発表しており、今後テザーに替わるステーブルコインとして期待されるところです。
今後の動向に注目です。
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