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ロシアでブロックチェーンを用いた選挙システムがテスト導入|新技術で選挙はどう変わる?

政治というのはいつの世も大きな利権が絡むものです。そして利権が絡めば不正をしようとする人も現れるかもしれません。そこで最近現れた試みが、選挙の投票システムとしてブロックチェーン技術を活用しようというものです。改ざんが出来ないブロックチェーンを利用することで不正を排除できる他、開票・集計に伴うヒューマンエラーを排除できたり投票者個人に紐づいたIDとの連動による投票管理(二重投票の防止)や遠隔地からの投票も容易になると期待が高まっています。

今回ブロックチェーン技術を選挙に活用しようとしていると報道があったのがロシアの独立選挙監視団体です。こちらの記事では、ロシアにおける選挙へのブロックチェーン技術導入のニュースの詳細やブロックチェーン導入によるメリット・デメリット、また他の国や自治体における導入事例などについて紹介していきます。

2018年8月、ロシアの選挙においてブロックチェーン技術導入の動き

 

ロシア連邦の独立系選挙監視団体であるNational Public Monitoring(NOM)がブロックチェーン技術を活用した電子投票システムを導入するためのテストを開始していることが2018年8月、明らかになりました。NOMの連邦調整員であるRoman Kolomystev(ローマン・コロモイチェフ)氏がロシアのメディアであるTASSに対して語ったところによると議会の一環としてブロックチェーン上に構築された電子投票システムのテストを開始しているとのことTASSによると、2018年の第1回ロシア連邦議会選挙はロシアの自由選挙基金とロシアの弁護士協会と並んでNOM主導にて行われたとのこと。

ブロックチェーン技術を用いたテストの実施については明らかになったものの、具体的にどのような方法で実施されるかなどの詳細情報については現時点では明かされていません。どのような形でブロックチェーンが選挙に導入されるかも不明ですが、おそらく改ざん防止などのメリットを狙ったものであるとの見方が濃厚です。

ブロックチェーン技術を選挙で用いるメリット

ブロックチェーン技術を選挙に利用しようという気運は世界的にも高まっていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で紹介したいきます。

改ざんができず不正を防止できる

ブロックチェーンは「暗号化技術」と「P2P(ピア・ツー・ピア」の2つの技術を組み合わせて作られたデータベースシステムです。分散型台帳技術や分散型ネットワークなどの名前で呼ばれる場合もあります。ブロックチェーンに利用されている2つの技術自体は昔から存在するものですが、組み合わせて作り出されたブロックチェーンは革新的なものであったと言えます。

ブロックチェーンでは、一度書き込まれた情報は理論上変更することができません。情報の改ざんなどの不正を回避することができるため通貨や個人情報を取り扱うデータベースとして非常に優秀と言えます。

デジタル鍵や承認ピアーによる自律分散型の監視による不正防止

ブロックチェーン上で行った投票は、デジタル鍵によって秘密に守られます。また、従来選挙立会人によって行われていた不正監視はブロックチェーン上の自律分散された承認ピアーにより代行されます。更に、従来目視で行われていた開票作業は投票の台帳への格納と同時にリアルタイムで自動的に行われます。これによって投票のプロセスにおける不正やヒューマンエラーを防止することができます。

選挙コスト削減

投票箱の準備や投票用紙の準備、選挙に立ち会う人員の確保などには多大なコストがかかります。関わる人の数は数えきれず、人件費だけでもかなりの費用を要します。もしブロックチェーン上で選挙が完了すれば、一連の選挙事務コストを大幅に削減することができます。

一部途上国においては政権の腐敗を止める可能性も

一部の政権が腐敗した途上国においてもしブロックチェーンによる選挙が導入された場合、腐敗した政権を失脚させられるかもしれません。政権の腐敗は格差の発生の原因にもなっており、ソーシャルメディアが「アラブの春」をもたらしたのは記憶に新しいところですが、ブロックチェーンによる選挙が同じように政治にも春をもたらすかもしれません。

ブロックチェーン技術を選挙に用いるデメリット

ブロックチェーン技術を選挙に用いることで得られるメリットについて紹介しました。しかしもちろんデメリットも存在します。

匿名性と「一人一票」の両立が困難

選挙での投票において1人が持つ票数は限られています。日本の選挙においては一人一票と決められています。選挙システムにもよりますが、1人の有権者が投票できる票数はどの選挙においても決められています。また、現行の紙での投票においては記名欄はありませんが、投票用紙に自分の名前を書いたり個人を特定できるような情報を書き込むことは禁止されています。これは選挙における賄賂や脅しを防ぐためです。この2つをどのように両立するのかはブロックチェーンを用いた投票における大きな課題の一つです。

不正の可能性がある

不正は紙での投票でも起こり得ることですが、もちろんブロックチェーンを用いた選挙でも起こり得ますし、不正の性質が少し異なるものになります。

先述の通り選挙システムにおいては匿名性を保つ必要があります。すると、個人と票を結びつけられないので、そこにつけ込まれて不正が起こる可能性が高いのです。匿名票なので、もし不正があってもどの票に不正があったのか特定すらできない可能性もあるのです。

もし選挙を妨害するためにハッキングをしようとした場合、票を書き換えるところまで行けなくても電子投票の集計システムにハッキングしたという痕跡さえ残せば誰も選挙結果を信じなくなります。また、電子化された選挙においては紙を使った選挙に比べて不正が大規模になりやすいという特徴もあります。もしかした、数百万票規模の不正が行われる可能性も否定できないのです。

アメリカではコンピューターによる投票が行われていますが「今すぐ投票用コンピューターを廃止し、紙による投票に戻すべき」と主張する専門家もおり、ほとんどのコンピューター科学者やセキュリティー研究家は電子投票は危険すぎるという見解を示しているという説もあります。もちろん投票用コンピューターによる投票とブロックチェーンによる投票は異なるものですが、それなりのリソースを投入して実装された投票用コンピューターであっても危険すぎるという評価を受けているという点は看過できません。

世界の国や自治体におけるブロックチェーンの選挙への導入事例

Ukraine-flag

ブロックチェーン技術を選挙や投票に活用しようとする動きは、すでに複数の国で始まっています。 選挙におけるブロックチェーンの導入には多くの議論が交わされている段階ですが、各国とも問題点の解決に向けて前向きかつ慎重に行動しています。主な自治体や事例を紹介していきます。

    ウクライナ:ネム(NEM/XEM)のブロックチェーン技術を活用した選挙

    ウクライナの中央選挙管理委員会は選挙にブロックチェーン技術を活用することを計画しているとのこと。同委員会は選挙の投票プロセスにネムのブロックチェーン技術を活用するテストを、ウクライナのNEM財団と協力して行なっており、ブロックチェーン技術が選挙投票にどのようなメリットをもたらすことができるか鋭意調査中です。実験はテスト用環境とコインで行われており、28ノードを建てて実施されています。実施の結果、1ノードを設置するにつき1,227ドル(約135,000円)相当のネムが必要になるとの結果が報告されています。

    ウクライナ中央選挙委員会のOleksandr Stelmakh氏は「技術に支払う費用としては少額である」と満足している旨をコメント。更に同氏はFacebookでブロックチェーンについて情報の改ざんを行うことができない点において有用であるとのコメントをしました。Facebookにコメントを残した国民の多くは改ざんを行えないという点について歓迎している模様です。

    2004年、ウクライナでは大統領選挙において不正がありました。選挙後に約11,000件の不正行為が行われていたことが発覚し大きな混乱を巻き起こした2004年の事件はウクライナを分裂の危機にも追い込みました。従って、公正な選挙システムについてはこだわりを持って慎重に取り組んでいくものと思われます。

    アメリカ合衆国ウェストバージニア州:ブロックチェーンを用いた投票アプリの導入

    アメリカ合衆国の東部に位置するウェストバージニア州は、11月に行われる連邦議会選挙においてブロックチェーン技術を活用した投票アプリを導入する方針を明らかにしました。投票アプリの採用によって、軍役などによって海外駐留している人も選挙に参加して投票を行うことができるようになります。一方で、ロシアが米国の選挙に干渉しているという疑念が囁かれる中でシステム上での投票はロシアの高いハッキング技術に選挙を曝すようなものであるという懸念の声も上がっています。

    ウェストバージニア州で用いられる投票用アプリはボストンに拠点を置くVoatz(ボーツ)というアプリ開発企業により開発されました。同アプリでは顔認証ソフトを使用しており、ユーザーがアップロードした政府発行IDとスマートフォン等のカメラで撮影された顔の動画を照合し、一致した場合のみ投票が認められます。データはユーザーの匿名性を保護するために暗号化された上でブロックチェーン上に記録されます。

    ウェストバージニア州の州務長官であるMac Warner氏によると、4回に渡るシステムの監査においてクラウドやブロックチェーンに問題はなかったとのことです。今回アプリを使用しての投票を行うことができるのは海外に派遣されている軍人に限定されています。また、11月の中間選挙で実際に使用するかどうかの最終決定はそれぞれの軍に委ねられています。使用者を限定した11月の選挙によって問題の有無を見極める目論見でしょうか。

    また、アプリが本格導入されても紙による従来の投票は引き続き可能であるとのことです。システム化に伴う高齢者の投票率の低下を懸念する声も多く上がりますが、アプリの導入は高齢者を閉め出すようなものではなく、あくまで遠隔地からの投票のとためという位置づけのようです。

    つくば市:マイナンバーカードとブロックチェーンを活用したネット投票

    つくば市では「超スマート社会」の実現に向け、全国の企業・研究機関などと協力して取組みを実施しています。つくばSociety5.0社会実装トライアル支援事業は、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)、ビッグデータ解析などの先進的な技術を活かした、市内での実証実験の支援を行う企画となっています。この最終審査の投票に用いられたのが毎ナンバーカードとブロックチェーンを活用したネット投票です。この投票では会場に赴いてまいナンバーカードをコンピューターにかざして投票を行います。国勢選挙における利用ではありませんが、自治体においてブロックチェーンを用いた投票が行われたという事実は日本の選挙におけるブロックチェーン活用における大きな一歩です。

    仮想通貨の寄付金を受け入れるアメリカ大統領候補者も:Andrew Yang(アンドリュー・ヤン)氏

    アメリカの大統領選挙に立候補している候補者の中に、選挙活動の寄付金を仮想通貨送金で受け入れている候補者も現れました。寄付金を受け入れているのは2020年の米国大統領選挙に立候補している自由党のAndrew Yang(アンドリュー・ヤン)氏。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ERC20トークンなどで寄付金を受け入れています。

    まとめ:ブロックチェーン技術の選挙への導入は有用だが前途多難

    ブロックチェーンの技術はその改ざんできないという性質から選挙に導入することで不正を防げるというメリットがあります。しかしまだ解決すべき問題も山積しており、各国・各自治体がそれにどのように向き合っていくのか注目が集まります。選挙のは国民や住民の暮らしに多大な影響を与えるものです。フェアな選挙を行える環境は国や自治体にとって不可欠なインフラなので、今後も議論は慎重に進められていくものと思われます。最後まで読んで頂きありがとうございました。