なるほど!をお届けする仮想通貨情報メディア

  • BTCBTC

    369,239円

  • ETHETH

    9,612.7円

  • ETCETC

    417.84円

  • LTCLTC

    2,703.5円

  • BCHBCH

    9,072.4円

  • XRPXRP

    32.819円

  • LSKLSK

    0.0000円

  • XEMXEM

    6.9780円

米・ゴールドマンサックス&英・バークレイズ 仮想通貨関連事業における新たな動き

既存の大手金融機関などとは離れたところでその勢いを伸ばしてきた仮想通貨ですが、やはり既存の大手金融機関や大手企業の仮想通貨に対する動きは仮想通貨の情勢や相場に大きな影響を与えます。2018年8月初頭、アメリカ合衆国の大手金融機関であるゴールドマンサックスとイギリスの金融大手・バークレイズが相次いで仮想通貨関連事業にて動きを見せました。その内容を解説するとともに、両者のこれまでの仮想通貨関連事業についても簡単にお伝えしていきます。

米国金融大手ゴールドマンサックスのニュース

  

アメリカ合衆国の大手金融会社であるゴールドマンサックスに関して、仮想通貨ファンド向けにカストディ(保管、管理)サービスの提供を検討しているというニュースがありました。報道は2018年8月6日にブルームバーグから発信され、情報提供元は複数の匿名の関係者であると明かしています。

ゴールドマンサックスで検討しているカストディサービスにおいては、仮想通貨ファンドの代理としてゴールドマンサックスが資産を保管するという形になる見込みとのこと。オンラインで資産管理を行うとハッカー等の攻撃によって投資資産を失ってしまう恐れがありますが、そのリスクを軽減できるサービスとして顧客からも注目を集めることが予想されます。

関係者がブルームバーグに語ったところによると、仮想通貨のカストディ事業が導入された場合にはヘッジファンドが対象のプライムブローカレッジ業務を含む他の事業にも繋がっていく可能性が考えられるとのことです。プライムブローカレッジ業務とは、投資銀行がヘッジファンド等の運用者を相手にしてファンド運用のためのサービスを提供する業務のことです。その内容は多岐に渡り、ヘッジファンドから受けた株・債券等の売買注文の執行、証券の保管、空売りの際の借株の手配、決済の事務代行、口座残高の計算、情報端末の提供などが含まれます。

一方で、ゴールドマンサックスの広報担当者はブルームバーグの取材に対して以下のようにコメントしました。

「様々なデジタル金融商品に対するクライアントの関心に応えるため、この分野でどのようなサービスを提供することが最善なのかを調査中であるが、現時点では、デジタル資産提供の範囲については、まだ結論は出ていない。」

https://coinpost.jp/?p=40169&from=attention_article_up

デジタル金融商品関連のサービスの展開を模索しているものの、実際の事業化についてはまだ未定であるとのことです。

仮想通貨のカストディサービスの提供を模索している企業

実は仮想通貨のカストデイサービスは他社においても検討されています。大手金融機関の中では以下の企業がカストディサービスの提供を模索していると報道されています。

JPモルガン

2018年5月に仮想通貨戦略部門を設置。部門のトップに任命されたハリス氏は仮想通貨の取引を推進するわけではなく、JPモルガンの成長につながるような仮想通貨プロジェクト見つけその指揮を執ることがが役目であるとのこと。また、ビジネス・インサイダーはハリス氏率いるチームは仮想通貨およびデジタル資産のカストディサービスの可能性も探っていくと報道しました。

ニューヨーク・メロン銀行

世界最大のカストディ銀行であるバンクオブニューヨークメロン。BTC現物のコールドウォレット保管に加えて、約130億円損失保証の保険の導入も報じられています。

ノーザン・トラスト・コーポレーション(Northern Trust Corporation)

2018年7月31日時点で既にサービスを開始しているとの報道があります。内容は直接的な仮想通貨の資産管理ではなく、仮想通貨に興味を持つヘッジファンドに対する投資の評価方法・アンチマネーロンダリングといった内容のアドバイスとのことです。

日本での動向

日本では野村ホールディングスが機関投資家向けのカストディサービス研究を行っており、フランスのLedger社や英国領ジャージー島の投資会社Global Advisors Holdingsとともに、研究のためのコンソーシアム「コマイヌ」を設立しています。

ゴールドマンサックスの仮想通貨に対する姿勢

ゴールドマンサックスは2018年に12年ぶりにCEOが交代します。前任者のロイド・ブランクファイン氏(Lloyd Blankfein)が退任し、2018年10月1日付で現社長兼最高執行責任者であるデービッド・ソロモン氏がCEOに就任します。

ロイド・ブランクファイン氏はその長い在任期間中に仮想通貨に対する考えを徐々に変えてきた人物です。2014年にはビットコインは通貨として機能しないという非常に否定的な見解を示しました。3年後の2017年にはそのスタンスを改め、機関投資家は仮想通貨を無視することはできないとの見解を示しました。2018年6月、仮想通貨は「詐欺だ」とまで主張してきた否定的な考え方を捨て去り、将来的にトレーディング業務を始める方針を打ち出しました。

新任のデービッド・ソロモン氏は仮想通貨に対してかなり先進的な見方を持った人物であり、今後、顧客の声等を聞きつつ慎重に行う必要はあるものの仮想通貨を重要な戦略の一つとして位置づけていく旨を表明しています。現在のゴールドマンサックスの仮想通貨・フレンドリーな方針は今後も継続される可能性が高いです。

英国金融大手バークレイズ、トレードデスク開始の可能性

同じく2018年8月に報道があったのがイギリスのロンドンに拠点を置く国際金融大手のバークレイズです。仮想通貨のトレードデスクを開始する可能性があるとの報道がありました。

バークレイズが仮想通貨トレードデスクの開設を検討している可能性があるとの報道は実は2018年4月にもありました。しかしバークレイズグループのCEO Jes Stanley氏は、5月時点でその噂を公式に否定しています。しかし今回の金融とビジネスのメディアサイトBusiness Insider発の報道によると、世界最大級のビジネス特化型ソーシャルネットワークであるLinkedInへの2人の社員による投稿から、バークレイズが仮想通貨のトレードデスクの準備を進めていることが読み取れるとのこと。

SNS投稿が参照された2人のうちの1人は、バークレイズのエネルギー取引グローバル部門のトップを務めていたChris Tyrer氏。同氏のLinkedInのプロフィールは2018年1月以降「デジタル資産プロジェクト」を率いる責任者との肩書きが掲載されています。この「デジタル資産プロジェクト」はデジタル資産トレードデスクを、同行の市場ビジネスにどのように統合できるかを検討するものだということです。

SNS投稿が参照された2人のうちのもう1人はMatthieu Jobbe Duval氏。彼もこのプロジェクトに関わりがあると推定されており、プロフィールにはデジタル資産取引コンサルタントの肩書きが掲載されているとのこと。なお、2人は既にデジタル資産プロジェクトに携わっている旨のLinkedInの投稿を削除し、その後バークレイズからは公式に仮想通貨のトレーディングデスク開設に向けた準備プロジェクトを否定するコメントが発表されました。

バークレイズの仮想通貨事業

今回の件でバークレイズは仮想通貨トレードデスクの開設について否定していますが、仮想通貨事業についてはかなり積極的に手を打っている企業であると言えます。

2018年3月には、イギリスの金融機関としては初めて仮想通貨取引所である大手コインベースとの提携を発表しました。コインベース社は世界最大の仮想通貨取引所の1つです。イギリスの銀行の多くは従来、不法行為への懸念から仮想通貨事業者との取引を禁止していました。この提携によって、イギリスにおけるビットコインやその他の仮想通貨の取引は従来よりはるかに迅速かつ簡単に行えるようになります。

また、2018年7月にはデジタル通貨の送金とブロックチェーンを活用したデータ保存に関する特許2件を米国特許商標局に申請したことが報じられました。1つ目のデジタル通貨の送金システムに関する特許の内容は、支払人と受取人の身元を安全に認証し公開鍵暗号とデジタル通貨台帳を用いて取引記録を検証する、というものです。2つ目の特許は、特定の事業者に関するデータの保存と承認に焦点を当てたものです。バークレイズは同件に関わる重要な事例として顧客の本人確認(KYC)のための個人情報確認を挙げています。

また、Financial Newsが報道したところによると、バークレイズの「デジタル資産プロジェクト」には以下のようなかなりの上級役員も噛んでいる可能性が高く、かなり力を入れている事業である可能性が窺い知れます。

  • バークレイズの投資銀行部門CTOで、ブロックチェーン技術研究チームを率いているLee Braine博士
  • 元アメリカ財務省主席エコノミストで、同投資銀行のFXおよび新興市場マクロ戦略部門トップのMarvin Barth氏

イギリスは2020年までに仮想通貨およびブロックチェーンにおいてリーダー的な役割を果たすことになるとガーディアン紙は伝えています。その評価の大きな理由は市場規模の大きさとそれを支える政府のイニシアチブであると言われていますが、バークレイズが積極的に仮想通貨事業に乗り出した場合間違いなくこの傾向は加速するものと思われます。

まとめ:大手は慎重な姿勢を見せつつも、仮想通貨事業は無視できない存在になりつつある

ゴールドマンサックスは新事業に対して慎重な姿勢を見て、バークレイズはプロジェクトの存在自体を否定しています。非常に慎重な印象を受けますが、両社ともに水面下では綿密な準備を進めており将来性ある仮想通貨市場の覇権を虎視眈々狙っているかのような印象も受けます。大手金融機関の仮想通貨事業における動向は仮想通貨業界の動向や相場にも大きな影響を与えます。今後の動向から引き続き目が離せません。最後まで読んで頂きありがとうございました。