導入
Blockchain IST センター(イスタンブール・ブロックチェーン&イノベーションセンター)により、トルコで同国初のブロックチェーン研究センターがBahcesehir(バフチェシヒル)大学内に誕生した。
ブロックチェーンの知識格差の解消に焦点を置き、企業や学術研究を行う教育機関との連携によりブロックチェーン技術の幅広いユースケースの検討を目指す。
そのために、同センター長のボラ・エルドールマンはブロックチェーン技術の科学研究と情報発信を進め、トルコにおける研究開発とイノベーションの最も重要な中心地にすると述べている。
現状
ブロックチェーン技術は、デジタルトランザクションの安全な追跡を保証する分散化された暗号化データベースである。
多くのスタートアップのフィンテック企業だけでなく、ウォルマートやIBMなどの大企業がその技術の潜在性に期待を高めており、メインストリームへの浸透や事業のラウンチが進んでおり、多くのベンチャーキャピタルやICO(イニシャル・コイン・オファリング)などによる資金がこの業界に流入し始めている。
一方で、ブロックチェーン産業は誕生して間もない分野であり、まだまだコミュニティの成長スピードや技術基盤が確固たるものとはほど遠い。
そういった成長段階における不安定性をサポートするセンターやハブが必要となっている。
国内ハブの事例は以下。
本郷をブロックチェーンプロジェクトの発足拠点へ Hashhubが拠点開所
世界の他大学のブロックチェーン技術への関心
世界的にみても、大学としてブロックチェーン技術の研究を意識的に推進している動きが見られている。
今年だけでも、
米国のスタンフォード大学が、イーサリアム財団のサポートを借りて、ブロックチェーンリサーチセンターを設立
ブラジルの大学で仮想通貨に特化した修士課程の開設
リップルがブロックチェーンの教育と浸透を進めるための寄付(17の大学、5000万ドル)
というようなニュースがみられている。
まとめ
トルコ国内でも、仮想通貨の発行を検討しているなど、今回のブロックチェーン研究所の設立も含めて、同技術分野をリーディングするチャンスが与えられており、人的資源を活用することで、新たな価値を発信する可能性を秘めている。
トルコ国内の経済情勢は、アメリカから経済制裁を受けるイランに影響を受けやすい状況になっている。変わったばかりのトルコ・エルドアン首相は、イラン寄りでありアメリカとの関係悪化を示すニュースも多い。
トルコリラの下落も続いており、イランのように通貨安が止まらない状況になるなら、法定通貨に代わるデジタル通貨の発行を検討することもあり得るかもしれない。
そういった意味でもブロックチェーン技術の必要性はあるといえるかもしれない。
同センターが、ブロックチェーン技術の科学研究と情報発信を進め、トルコにおける研究開発とイノベーション発信の最も重要な中心になることを期待したい。
イランのニュースは以下。
イラン デジタル通貨の導入を検討