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ベネズエラ、仮想通貨に連動する新法定通貨を発行

ベネズエラのNicolas Maduro大統領は、新しく作られた通貨ソブリン・ボリバル(ボリバル・ソベラノ)について8月20日から流通させることを発表しました。

この通貨は、現在使用されている法定通貨「ボリバル・フエルテ(VEF)」の単位を5桁切り下げたものとなっているそうです。

大きな特徴として挙げられるのが仮想通貨ペトロ(PTR)にペッグするという点です。

仮想通貨にペッグする法定通貨とはどのようなものなのでしょうか。
今回はこの新しい通貨の発行された背景と共に仮想通貨ペトロの存在についても考えていきたいと思います。

・仮想通貨ペトロ(PTR)とは

ペトロとは今年2月にベネズエラによって立ち上げられた仮想通貨です。
同国は石油の埋蔵量が豊富な資源国として知られていますが、ペトロの価格は石油の価格と政府の信頼性によって決まるとされています。しかし、その一方で不明瞭な部分も多々あるといわれており国際的に普及するのは現状難しいようです。

・ペッグとは

ペッグとは、ペアとなる通貨同士のレートを一定に保つということです。
例えば円にペッグする仮想通貨が発行されるとすると、その仮想通貨は円と同じ価値を持っていることとなります。デジタル化した円を保有しているような状態になるので、当該、仮想通貨への信頼を高めることが理論上可能となります。米国のドルにペッグする仮想通貨としてはTether(テザー)がよく知られています。ちなみにテザーの表記はUSDT(U.S.ドル Tether)と表されています。

新通貨の誕生とその背景

現在、南米ベネズエラのNicolas Maduro政権は米国やEU諸国による経済制裁を受けている影響で深刻な経済不況に陥っています。
そんな同国において、金融・経済の打開策として期待される仮想通貨ペトロにペッグする新しい法定通貨の流通が8月20日から開始されると発表されました。

インフレ問題

今回の措置は、ベネズエラの抱えるハイパーインフレ問題に対応するためのものでもあります。

現在、ベネズエラでは毎月のように2倍程度のペースで物価の上昇が続いているようで、6月時点でインフレ率は4万6000%でした。

当初の計画では旧通貨1000VFEを新通貨1ソブリン・ボリバルとする予定でした。
しかしIMF(国際通貨基金)の発表によると同国の物価のインフレ率はさらに加速度的に上昇するとしています。
IMFの見解を受けて、同国内でも物価の上昇率に従来の新通貨の基準では十分ではないと判断し10万VFE1ソブリン・ボリバルにすることとしました

仮想通貨にペッグする法定通貨とは

同国Nicolas Maduro大統領は、今回のソブリン・ボリバルの発行はベネズエラの金融・財政システムを根本から見直しするためのものだとしており、新通貨と仮想通貨ペトロとのペッグは「生産的かつ多様性があり持続可能な経済モデルの発展に向けた大きな希望」だと自信を見せています。

さらに同氏は仮想通貨ペトロへの信頼を強く主張しており、国家が裏付けをするデジタル通貨について「技術的にも金融的にも確固たるものとなり、国内のみならず国際的な経済活動においても使われるようになる」と述べています。

また、同大統領は「インフレや現金不足の解決にも効果が見込まれるため、ベネズエラ人にとっては日常的な光景といえるATMでの長蛇の列をも緩和できるだろう」とも言及しており新通貨への期待を高めているようです。

批判的な意見も

一方、今回の新通貨の発行については様々な専門家達から懐疑的な目を向けられています。経済学者のマキシム・ロス氏や野党議員で経済学者のアンヘル・アルバラド氏も一様に「通貨の桁を切り下げても事態は改善しない」と実際の問題として抱えている経済のインフレの解決に結びつくかどうかについては懐疑的です。

独裁色を強めているベネズエラでは経済制裁などの影響を受けたインフレにより、通貨の価値は急落しているために16年後半からビットコイン(BTC)へと資産を移動する動きが広がっていましたが、さらに今年に入ってからはBTC購入への動きがより活発化しています。

ベネズエラ政府は価値の下がってしまった旧通貨の代わりに流通を開始するソブリン・ボリバルをペトロと結びつけることで価格の安定や信頼性を目指します。

しかし、本来は安定しているはずの法定通貨の方に対し価格の不安定な仮想通貨をペッグするのが一般的なためどちらも行政が発行したものではありますが、どれほどの効果があるのかは未知数です。

また、そのような背景がある通貨に対しどれほどの資金が流入するのかといった点から見ても先行きは必ずしも明るいものとは考えにくいのかもしれません。

過去の事例

IMFは、ベネズエラの現状について「1923年のドイツや2000年代後半のジンバブエに似ている」と指摘し過去の事例を引き出して見解を述べています。

当時のドイツでは物価が高騰しパン1個の値段が1兆マルクにまで達しました。

さらに2009年のジンバブエでは1兆ジンバブエ・ドルを1ジンバブエ・ドルに切り替えたという過去があります。

不作などの影響によって商品が不足している場合にも限定的に商品価格はあがりますが、経済制裁などによって国内市場全体の物価が上昇しているとなると通貨の価値や国家に対する信頼が失われている状態ともいえるため、国内での通貨が変わったところで世界経済との釣り合いが取れないと絵に描いた餅で終わってしまう可能性は十分に考えられるでしょう。

まとめ


南米ベネズエラでは同国が発行している仮想通貨ペトロに連動する性質を持つ新通貨の導入を進めています。

法定通貨が仮想通貨に担保されるという状態については専門家達から多くの懐疑的な声が上がっているようです。

同国は石油資源が豊富なため、輸出などで強みを持つはずですが現状は各国より経済制裁を実施されており外貨が入ってきにくい状態にあります。

一方で、仮想通貨市場で各国の取引所に上場されると外貨の流入が期待できるため、現状よりは同国内の経済に良い影響を与える可能性があるのかもしれません

仮想通貨は日本では未だ「怪しい、価値がない」と見られる向きがありますが、今回の報道によって世界には国際的に開かれている仮想通貨や市場の利点を活かし自国の経済を発展させていこうという動きがあることがよく分かってきます。加えて、法定通貨よりも信頼される仮想通貨という考え方があることにも素直に驚いてしまいますよね。

途上中の仮想通貨市場においてはこのような国家など公的機関や大手企業の加担する通貨の発行がどのように受け止められていくかについても今後注目されていくことでしょう。

日々、様々な性質を持つ仮想通貨が誕生しているため発行元との結びつきをよく知った上で応援出来るような目的があるようであれば投資をしてみるのも良いかもしれません。

まだまだ盛り上がりを見せる市場を今後も注視していきましょう。