米国を代表するベンチャー・キャピタル(VC)「アンドリーセン・ホロウィッツ」が総額3億ドルの仮想通貨専門のファンドを設立したと発表しました。
このアンドリーセン・ホロウィッツが仮想通貨専門のファンドを設立したとのことで多くの注目を集めています。
一体アンドリーセン・ホロウィッツとは何者なのか、またどのようなところが注目されているのかについて考えていきましょう。
目次
アンドリーセン・ホロウィッツとは
2009年に設立された、米国に拠点を置くVCでTwitterやFacebook、Skype、Airbnbなどの数多くのテクノロジー企業に対して投資をしてきました。スタートして間もない企業家に対し積極的に投資を行ってきたためにエンジェル投資家としてもよく知られています。
a16zの略称で親しまれ、多くの若者企業家たちから慕われている自他ともに認める米国を代表するVCです。
新しく設立されたファンドの中身とは
アンドリーセン・ホロウィッツは既にここ数年間でもリップル社や取引所のコインベースなどをはじめ多くの仮想通貨関連の企業への投資を行っていたそうです。
しかし、投資自体は行っていたもののファンドの設立というステージへは進出していませんでした。
とはいうものの、ファンドの設立が世界的にされていなかったかというとそうではありません。
実は2017年以降、仮想通貨関連のファンド数自体はその数を増やしています。現在では、200社を超えるファンドが存在しているともいわれていますが、実態はもっと多いともいわれています。
その一方で、ビットコインの価格は昨年末の再高値以来、乱高下を繰り返す市場に嫌気がさして「仮想通貨はもう終わった」といった声も聞かれるようになっていることは皆さんも既にご存知のことと思います。
そういった状況の中で今回、以前から仮想通貨関連の投資を行っていたアンドリーセン・ホロウィッツが仮想通貨とブロックチェーンに特化したファンドを設立しました。
仮想通貨専門のファンドを設立したことは大きな意味を持つことでしょう。
法律的にもまだ不透明な部分があり、不安視されることの多い仮想通貨市場を出資の対象として一定の基準に達していると認めているようなものですから他機関投資家達の動きをさらに後押しするのではといった期待がもたれています。
今回の設立されるファンドはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)で発行されたトークンなども出資の対象として目を向けており、仮想通貨関連の企業のみではなく、その企業の発行するトークンにも投資をする方針とのことです。
また同社のゼネラルパートナーのクリスディクソンによると今後もブロックチェーン自体に着目をしていくことは勿論のこと、今回のファンド設立により更に柔軟な対応が可能になると発言しており今後益々積極的に活動を強めていく姿勢が伝わってきます。
他に注目される投資家達について
今回のアンドリーセン・ホロウィッツの発表を受け、さらに期待感の高まる仮想通貨市場ですが、先ほどもお伝えしたように、すでに多くの投資家が仮想通貨市場に参入しています。
機関投資家の参入が起こってくると大量の資金が流入してくることとなります。安定した取引高が見込める市場では売買もスムーズに行われるため市場の活性化にも結びついてくるでしょう。
以前参入を発表した偉大な投資家達についても改めてご紹介していきましょう。
ジョージソロス
「世界3大投資家」や「伝説の投資家」ともいわれる伝説の投資家、ジョージソロス。投資に関する著作も多数発売しています。
彼はかねてから仮想通貨には批判的な態度で接してきました。仮想通貨市場は投機的だと発言していましたが、すでに昨年から仮想通貨への投資を行っており、大きな注目を集めています。
ゴールドマンサックス
米国の大手金融機関であるゴールドマンサックス(GS)の発表も大きな期待が持たれています。
取締役会で仮想通貨への投資をすることを決めたGSですが、こちらも以前は仮想通貨に対し否定的な考えを持っていました。しかし、一転、こういった展開になるということはやはりブロックチェーンや仮想通貨への期待が予想を上回るものだったからかもしれません。
事実、GSのアナリストは仮想通貨の時価総額に触れて機関投資家は無視をすることのできない領域に来ていると発言しています。
ロックフェラー財団
世界有数の富豪、ロックフェラー財団の投資部門も仮想通貨投資について言及しています。既に仮想通貨投資グループであるCoinFundと提携を行い、ブロックチェーン関連の事業を展開する起業家に対して援助をする方針を発表しています。
報道によると既に3000億円近い資産を投じているとされており、ブロックチェーン技術に長期的な見通しを持って参入しているといわれています。
資産1兆円の投資家スティーブコーエン
もっとも成功したファンドマネージャーの1人としても知られているスティーブコーエンも仮想通貨に前向きな姿勢を見せています。
オートノーモス・パートナーズと言う仮想通貨とブロックチェーン関連の企業に特化したヘッジファンドに投資をしているそうです。
オートノーモスはビットコインやイーサリアムのような時価総額の大きな仮想通貨にも投資をしており市場にもダイレクトに影響を及ぼすといって良いでしょう。
影響
昨年の仮想通貨の高騰は仮想通貨初心者の新たなトレンドへの期待感などから生まれました。
現状はその当時の約1/3の価格まで落ち込んでいます。
仮想通貨はあまりにも価格変動が大きいため、一攫千金を狙う個人投資家が詰め寄ってきましたが、価格が落ち込んでくると多くの手仕舞いが起こり、取引高も大きく下落しました。
そんな中、投資のプロ達が仮想通貨への投資や関連企業への出資を行っているのは、あまりにも高騰しすぎた市場の熱が冷めてからもどんどんと動きを活発にしています。
これは現在の仮想通貨市場全体の価格が本来あるべき価格と剥離しているからと本来持っている価値が認められてきたからだと考えられます。
当然、こういった著名な企業や投資家が反応を示しているのであれば再度多くの目がブロックチェーンや仮想通貨へと向けられるだろうことは想像に難くありません。
まとめ
アンドリーセン・ホロウィッツの仮想通貨に特化したファンドの設立により、また新たな資金が関連市場に流入してきています。
また、過去に参入を表明した多くの投資家達も仮想通貨やブロックチェーンに対し期待感を強めています。
ブロックチェーンが我々の生活に及ぼす可能性はますます広がってきています。また、仮想通貨に対する評価も刻々と変化をしています。
昨年のブームのような状態は抜けてしまいましたが、未だに仮想通貨に関する報道やブロックチェーンの話題は日常的に目にしていると思います。
これから本当のブロックチェーン技術や仮想通貨についての価値が浸透してくるのかもしれません。
多くのプロ達も参入し始めている仮想通貨分野の動向に今後も注視していきましょう。