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ウォルマート ブロックチェーン関係の取り組み

 

導入

ブロックチェーンにおける活用事例として、おそらくもっとも有名であるのは仮想通貨でしょう。

しかし、現在、プライバシー、スケーラビリティ、ボラティリティの高さから、これらの課題への開発者の多大な努力の跡がみられるものの、通貨としての用途には適さないもしくは限定した用途に限るというのが多くの見解になっています

一方で、ブロックチェーンには、透明性や改ざんできないこと、非中央集権性などの良さがあり、通貨にとらわれない用途の可能性が開かれつつあります。

その中でも、スマートコントラクトによる自動契約や、ブロックチェーンによるサプライチェーンの追跡システムです。

特に、サプライチェーンにおいては、商品のリアルタイムでの可視化、追跡による最適化や需要予測など、ブロックチェーンとは非常に相性が良いといえます。

 サプライチェーンにおけるブロックチェーン活用のメリット

可視化範囲の拡大:より確実な計画

膨大な量のデータはあっても、サプライチェーンには盲点が多い。

サプライチェーンは注文品をすべて発送したか。貨物船は予定通りに出港したか。

ブロックチェーンでは、資産がどこにあるのか、誰が所有しているのか、または取り扱っているのか、資産が今どのような状況にあるのかといったことを瞬時に把握することができます。組織はこういったデータを活用することで、商品がいつどのような状態で到着するのかをより正確に予測できます。ジャストインタイム生産計画から、在庫管理や品質管理、コスト削減、問題解決に至るまで、サプライチェーンの至るところでそのメリットを享受できるだろう。

 

もし信頼性の高いデータにリアルタイムでアクセスできないとしたら、引き渡しは可視化されず、障害の発生も認識されないまま、在庫は適正水準を超過、もしくは下回り、リードタイムも長くなる。たとえ、組織内の可視化を実現している組織であっても、サプライチェーンの工程を可視化することは不可能である。特に、商品の輸送中に関しては難しい。なぜなら輸送にまつわる業務は、今でもデジタル化されていない大量の紙に大きく依存しているからである。

 

大量の花を海外へ輸送する際、十数社のベンダーから200種類もの書類が発生する場合があります。輸送にあたっては、花に虫がついておらず衛生的であることを証明しなければならないが、多数の機関の証印と署名を得た書類をスキャンして送っても、信ぴょう性が薄いため認められず、各輸送先国別に書類を空輸しなければなりません。もし書類に些細なミスがあれば、通関に遅延が生じ、積み荷が無駄になったり支払が停滞するなどの予期せぬ結果を招きかねないのです。

 

同様に、輸出業者、輸入業者、保険会社、税関職員、ターミナルオペレーター、貨物取扱業者、運送業者など様々な関係者が、船荷証券を使用しているが、その送付は通常、積み荷の到着が輸出者に通知された翌日となります。

このように複数の機関で書類を共有する必要がある場合、デジタル化によりその記録をブロックチェーン上で処理すれば、時間とコストを大幅に削減することができます。

 

ブロックチェーンは、商品が今どこにあるかを可視化するだけでなく、これまでどこにあったかを追跡することも可能である。たとえば、小麦が農場からコンテナ船、工場の作業現場を経てパン屋の陳列棚に並ぶまでを追跡することができる。既に、作物の状態をモニターしてブロックチェーンに記録する、センサー試験を実施している組織もあります。管理者が小麦の到着予定日のはるか前に、含水率や遺伝子組み換えといった小麦の属性データにアクセスすることで、原材料に応じた最適な製造計画を立てることができるのです。

 

また、商品の原産地をブロックチェーン上で追跡できるということは、リスクを低減させるだけでなく、生産と流通の品質水準を向上させる。

たとえば、製造業者は受け取る金属が正しい配分の合金であることを確かめることができる。仕入れ業者は、ワインや医薬品が適正な温度で輸送されていることを確認できる。最終的には、廃棄品や損傷品、不良品が減少し、不正や盗難、偽造も減らすことができます。

また、英国のEverledger社は、分散(共有)台帳を活用して紙の書類(偽造されやすく、積み荷から外れることもある)をブロックチェーン上のデータに切り替えることで、ダイヤモンドの個別追跡を可能にし、ダイヤモンド輸出業者をサポートしています。このことにより、強制労働によって採掘される、いわゆる「血のダイヤモンド」は市場から排除され、盗まれたダイヤモンドも永久に追及されるため、保険会社のリスクは軽減されます。

 

今日、サプライチェーンにおいて仲介者は、その信ぴょう性を担保するために重要な役割を果たしています

商品の安全性証明から法規制遵守、商品の所有権移転に伴うファイナンスや決済に至るまで、信頼のおける仲介者を利用すればリスクを軽減することができる。

ブロックチェーン上で、原産地が証明され、組織の視程範囲が拡大すれば、参加者間における責任と信頼はより確かなものになるだろう。

 

最適化領域の拡充:リアルタイム対応に備える

ブロックチェーンにより可視化範囲が拡大されたサプライチェーンは、次のステップへ移行するために、最適化による基盤強化を進めています。

たとえば、トヨタ自動車では部品供給網の効率を高めるために、1台の自動車を製造するための様々な国や工場、サプライヤーから届けられる数千の部品をブロックチェーンで追跡しようと考えています。

 

ブロックチェーンを使ってサプライチェーンを最適化することで、意思決定をサプライチェーン上のパートナーとリアルタイムで同期することで状況に応じた対処をするといった、これまでにない柔軟さが実現されます。

サプライチェーン上での一連のイベントに継続的かつリアルタイムでアクセスできれば、最適化を繰り返し実行できるはずです。

もしサプライヤーが実際には注文品の一部しか出荷していないことが事前に把握できれば、内部での在庫の入れ替えや別のサプライヤーからの補充、価格の調整などの対応をとることができるだろう。また効率を最適化するために、コンテナの経路を別の倉庫に変更したり、倉庫やトラック、配送センターをパートナーと共有することもできます。

 

ブロックチェーンにより作成される監査証跡は、より広い信頼の輪を創出します。パートナーが部品を期限通りに組み立てると、その事実は恒久的な記録の一部としてブロックチェーンに記録され、共有されるます。ブロックチェーン上で確立されたその評判は、小規模企業やスタートアップ企業を含む新たなパートナーがサプライチェーンへの参入しやすくします。

情報をより幅広く共有することが、サプライチェーン上のあらゆるレベルで的確な意思決定を促し、瞬時に最適化することを可能にします。

ブロックチェーンでは、動的に情報へのアクセス許可を付与することができます。

たとえば、通常は盗難の懸念から港湾作業員には伝えられないコンテナの中身に関する情報も、正当な理由があれば共有するという対応をすることも可能です。嵐やストライキの場合に、被害を受ける恐れのある商品を含むコンテナ貨物を優先的に保管し、作業が再開したら遅延を避けるために施設全体で最適化を図るということも可能になります。

必要に応じて中身に情報を仲介者に提供することで、マルチチャネルからの需要の変化に応じて商品の出荷先を変更することもできるだろう。

しかし、動的な最適化を実現するためには、大規模なサプライチェーン業者間での協力が前提となります。製造業者から輸送業者、監督当局、顧客に至るまで、あらゆる関係を含めたインダストリープラットフォーム全体からの広範な関与があって、はじめてそのスケールメリットが生かされるということは重要です。

 

需要予測の早期化:参加者全員に開示

自動発注システムは、顧客の需要を予測して発注時期や発注量を決定することで、効率面においては飛躍的向上をもたらしたが、依然として様々な制約を受けている。

未だに小規模な小売り店舗や販売拠点のPOSデータは入手できず、製造業者が受け取るデータもサプライチェーンの他の関係者にはほとんど共有されず、一部での限定された利用に留まっています。

つまり、需要を予測するうえであまりにも多くの情報が欠落しているのが現状です。

 

一方で、ブロックチェーン上のデータであれば幅広いアクセスが可能なため、顧客の購入記録といった需要データを生産者や流通ネットワークの参加者が瞬時に入手できるようになります。

たとえば、顧客が冷蔵庫を購入すると、そのデータを製造業者のみならず、部品サプライヤーからサービスベンダー、輸送業者に至るまで、すべてのパートナーが小売り業者が入手するのと同じタイミングで入手できるようになります。

これまで需要予測技術を共有するのは大手メーカーや小売業者に限られていたが、そこから導き出される需要データにほかの関係者がタイムラグなくアクセスできるということは、ある意味でこの技術が分散して、広く浸透したといえます。

たとえば、輸送業者はほとんどの場合において、発送の数日前に注文を受けるため、貨物やインフラの計画を最適化することはむずかしく、ましてや積載量の予測に必要なデータを集計・分析することは極めて困難です。

 

実際には、この業者間での需要データの共有による新たな需要予測を行うためには、大量のデータを瞬時に理解する必要があるため、高度なアナリティクスやコグニティブシステムに大きく依存することになると予測されます。

予測にあたっては、特に天候や販促キャンペーン、工場の生産現場における突発的な混乱、地域の政治的衝突といった事象に関するデータを集約することが大事である。

しかし、そうした要因がない場合、検証可能な需要の兆候に自由にアクセスできることは、今日において大きな効果をもたらします。

もしかすると、ブロックチェーン上における解決困難な課題のひとつである「ブルウィップ効果」(サプライチェーンにおいて、末端の消費者のわずかな需要変動が、川上の事業者に増幅して伝わり、結果として過度な在庫を抱えてしまう現象)を克服できるようになるかもしれない。

取り組み事例

①配送管理システム

米国特許商標庁(USPTO)は、米国小売り大手ウォルマートは、ブロックチェーンを活用し、安全に配送するシステムの特許を申請し、公開しました。

ウォルマートが新たに申請した特許「配送指定装置と方法」は、ロッカーに商品を安全に配送し、購入者が取り出すまで保管するブロックチェーンベースの管理システムです。

ブロックチェーン配送管理システムは、どのロッカーが空いており、もしくは占められているのかを追跡するシステムのために提案されたもので、それぞれのドッキングステーションがブロックチェーン上のノードとなり、パブリックレッジャーを頻繁に参照しながら、システムの空きや予約の有無を公開記録します。

ドッキングステーションの各スペースは、ドッキングステーションそれぞれにおける対応能力があり、容積単位の取引は、ブロックチェーン台帳上で追跡され、どのドッキングステーションに容積の空きがあるかを示します。また、その空き容量を予約し、将来の配送のために使われるかを示します。

 

②物流システム

米国特許出願庁(USPTO)は、3月1日、米小売大手のウォルマートが特許出願した「スマートパッケージ」システムの内容を公開しました。

ウォルマートが出願した「スマートパッケージ」は、ブロックチェーン技術を利用し、荷物の中身、環境条件、場所などの詳細情報を追跡するシステムです。

将来的に自動運転車やドローンなどの新技術で用いられることが想定されています。

出願書類によると、ブロックチェーンには販売者の秘密鍵アドレス、宅配業者の秘密鍵アドレス、購入者の秘密鍵アドレスなど、チェーン上の鍵アドレスが記録されます。

ウォルマートは、商品を出荷するパッケージにおいてセキュリティを強化する方法を改めて設計しする必要があるとして、既存の追跡装置からはそのような望ましい機能性は得られていないと述べています。

 

③サプライチェーン追跡システムをIBMや食品企業と共同開発へ

ウォルマートを含む企業10社がIBMと提携し、世界中のサプライチェーン上で食品を追跡することができるブロックチェーンの開発に取り組むことを発表しました。

このフードトラストブロックチェーンの開発には、ウォルマートの他、ネスレSA、ドール・フード・カンパニー、ドリスコールズ、ゴールデン・ステート・フーズ、クローガー、マコーミック、マクレーン、タイソン・フーズ、ユニリーバなど10企業が参加しています。

16年からIBMと共同開発に取り組んでおり、昨年8月に製品試験を開始しました。

企業が食品回収に伴う追跡情報などをより迅速に特定し、顧客のリスクを最小限に抑えることを目指すことが目的です

ウォルマートの食品安全部門の副責任者を務めるフランク・イアナス氏は、フード・トラスト・ブロックチェーンを「商品を追跡できるフェデックスのようなもので、ひとつひとつの食品について各工程のエリアタイムのデータを入手できる」と述べています。

ブロックチェーンの追跡システム開発に取り組む企業の商品は、合によっては競合する可能性もありますが、ネスレでサプライチェーンのグローバル責任者を務めるクリス・ティアス氏は、「各社は消費者の信頼確保のために協力している」と語っており、よりよい追跡システムへの追求のために協力体制をとっています。

 

④米ウォルマート、ブロックチェーンで生鮮食品の流通管理、導入を検討

ウォルマートの食品安全衛生担当副社長のフランク・イヤネス氏によると、ブロックチェーン技術を活用することで、生産を追跡するのに掛かる時間が6日間から2秒に短縮できました。

ウォルマートは、サプライヤーにブロックチェーンで食品を管理していくように求めることで、無駄を削減し、異物混入製品の追跡や透明性の向上に繋がるとしています。

 

⑤ウォルマート、ブロックチェーンを利用したマーケットプレイスの特許申請

ウォルマートが、ブロックチェーンを利用した購入転売用マーケットプレイスに関する特許を申請しました。

この申請書に記載されているサービスは、顧客の購入した商品をブロックチェーン台帳に記録することで、その購入記録を用いた販売用プラットフォーム上で、顧客がその商品を転売することができるようにするものです。

 

将来性

ブロックチェーンによるサプライチェーンの追跡システムのもっとも期待されている点として、製品の状態を逐一チェックすることができるので、物流における無駄を削減したり、迅速に汚染源や不正元を特定することができる点です。

特に、米国では、米国産のロメインレタスが原因で5州で197人以上が大腸菌に感染する食中毒が発生するなど、大規模なサプライチェーンを扱う業者にとっては、万が一被害が発生してしまったとき、乗数的に拡大していくことを一刻も早く防ぎたいという思惑があります。

この時点ではシステムが実用段階に至っておらなかったが、将来的には被害がここまで長期的なものにならずに済むであるでしょう。

ブロックチェーンで汚染源を特定できれば、食中毒の大規模な汚染を防止できるとして、注目されています。

また、配送管理やマーケットプレイスの特許など、小売りのスーパーマーケットに限定されない可能性についても目指していることがわかります。

 

まとめ

サプライチェーンへのブロックチェーンの採用は、

・可視化範囲の拡大→デジタル書類の共有、商品の追跡、仲介者の排除

・最適化領域の拡充→リアルタイムでの意思決定の同期、信頼やアクセス権限のコントロール

・需要予測の拡大→需要予測の幅広い共有による最適化計画

などのメリットを見込むことができます。

ウォルマートは、商品の追跡システムに焦点を置いており、最適化計画や食中毒などの早期発見などを改善したいようです。