なるほど!をお届けする仮想通貨情報メディア

  • BTCBTC

    625,464円

  • ETHETH

    19,671円

  • ETCETC

    839.32円

  • LTCLTC

    4,726.3円

  • BCHBCH

    43,808円

  • XRPXRP

    54.147円

  • LSKLSK

    242.43円

  • XEMXEM

    10.459円

岡山県西粟倉村が地方自治体としては初の地方創生ICOを実施!その内容とは

2017年11月、岡山県にある西粟倉村という小さな自治体が、村の財源確保のためにICOを実施すると発表しました。国内の自治体としては初の試みとなる本件。その内容や革新性、ほかの自治体などに与える影響などを分析し紹介していきます。西粟倉村の概要や、そもそもICOとは何かという部分から詳しく解説していくので、ニュースを聞いてよくわからなかったという人や理解を深めたいという方も是非最後まで読んでみてください。

日本の小さな地方自治体がICO実施?!ニュースの概要を紹介

プレスリリースがされたのが2017年の11月。2017年末は日本において急激に仮想通貨投資が加速し一気に話題になった時期でもあるので、日本の一自治体がICOを行うというニュースは大きな話題を呼びました。プレスリリースの内容は、岡山県にある西粟倉村という小さな村が独自の仮想通貨である「西粟倉コイン」を発行し、投資家に購入してもらうことで村の財源に充てるというもの。自治体における仮想通貨やICOの活用は世界的にみても非常に珍しいことです。

西粟倉コインを発行して流通させるとどうなるのか

西粟倉村が発行を目指している「西粟倉コイン」。まず投資家はイーサリアムを用いて西粟倉コインを購入します。手に入れた西粟倉コインは手元に置いておいても良いですし、値上がり益を狙って再度売買してもOKです。西粟倉村はこの時点で西粟倉コインの対価としてイーサリアムを得ているため、そのまま日本円に換金して村の財源に充てることができます

では、世界中に流通することになる西粟倉コインはどのように使えるのでしょうか。まず1点目の用途としては、村内やネット上のECサイトでの買い物の際の決済手段として使えるようになる見込みです。詳細については発表されていませんが、西粟倉村内での物品の購入や施設の利用に際して西粟倉コインが使えるようになるかもしれません。ネット上のECサイトについては、村式という会社がECサイト上で西粟倉村産の商品を取り扱うことが決まっており、その購入に西粟倉コインが使えるようになるとのこと。

つまり、西粟倉コインは西粟倉村のみで通用する通貨として機能することになります。従来の考えでは自治体が通貨を発行することはできませんが、仮想通貨を用いることで通貨を発行し独自の経済圏を実現することができてしまうのです。

また、西粟倉コインには投票権が付与され、西粟倉での事業立ち上げを目論むローカルベンチャーに投票し応援することができるようになるとのことです。

なぜ西粟倉村でプロジェクトが発足したのか?西粟倉村ICOを決意した理由

独自のトークンをを発行して投資家に購入してもらうことで資金を調達するICOの手法は、今まで主に企業やブロックチェーン技術を用いたサービスの提供を行いたい事業者によって行われてきました。しかし、人口たった1,500人の村である西粟倉村がこの手法を採るに至ったのは一体なぜなのでしょうか。それを知るためには西粟倉村で推進している「百年の森林構想」と、村に根ざしたベンチャー企業の設立支援を行っていることに注目する必要があります。

百年の森林構想は、これまで50年かけて育ててきた木々をこれからのさらに50年の間により良い森林としていこうというプロジェクトです。そして、西粟倉村では、地方創生を目指して定住&移住と起業に対する支援を行っています。この2つを組み合わせることで、森林構想で出てくる大量の間伐材をベンチャー企業に活用してもらい、そのサービス提供によって村内の経済や生活を賄うという循環を目指しているのです。国はこれを評価し、地方創生推進交付金として年間8,000万円を交付しています。しかし、同資金の提供は2020年度で終了する予定となっており、2021年以降の財源を確保するために西粟倉村ではICOを行うことを決意したのです。2021年度から新たな財源を確保する必要があり、その対策としてICOの活用を選んだのです。

そもそもICOとは

簡単にいうと、「仮想通貨を発行して資金を調達する」という資金調達方法のことを指します。仮想通貨の「ICO」とは「Initial Coin Offering」の略です。「クラウドセール」「トークンセール」といった別称もありますが、現在はICOという言葉が広く普及しています。仮想通貨におけるICOとは仮想通貨を発行し、その通貨を販売することで特定の使途の費用を調達する方法です。この時、発行される仮想通貨のことを「トークン」と呼びます。似たようなシステムとしては株式を発行しその売却によって資金を調達するIPOがありますが、優待、配当、議決権などの制度が確立している株式とことなり仮想通貨は千差万別なので注意が必要です。

なお、「ICO」という言葉が生まれた当初は調達した資金の使用用途はブロックチェーンを用いたサービスの開発に限定される風潮が強かったですが、近年ではその使途はブロックチェーン以外の内容でもありうるというように認識が変わってきています。ICOを取り巻く環境は今でもめまぐるしく変化しているので、今後も時代の変化に応じて定義が変わっていく可能性があります

発行者のメリット

トークンを発行しICOを行う主催者側のメリットは当然「資金調達ができる」という点です。通常、資金調達をする際に一番一般的な方法は特定の相手に融通してもらうよう頼む方法です。相手は企業であったり銀行であったりさまざまです。信用力の高い企業やプロジェクト、実績がある人々に対しては資金がどんどん流入するのに対し、中小の企業やスタートアップのプロジェクトにおいては資金の調達難易度がぐっと高くなってしまいます。ICOを行うと、小口の投資を多くの人から募ることができるようになります。類似のシステムとしては株式の発行がありますが、上場のための審査が煩わしく多くの法律上の制約を受けなくてはならないというデメリットがあります。その点、ICOでは煩わしい手続きなしに資金の調達を行うことができるのです

また、独自の仮想通貨であるトークンを発行しますが、この市場価値はプロジェクトの認知度の上昇と成功によって価値が上がります。従って、自らが手元に置いているトークンについてはプロジェクトのがんばり次第で資産価値が高まっていくのです。これも主催者側にとって大きなメリットであると言えます。これは株式の発行においても同じことが言えます。

トークン購入者のメリット

一番大きなメリットは、購入したトークンの値上がり益です。将来性のあるプロジェクトのトークンを購入しておけば、プロジェクトの知名度があがり成功した際に資産価値が上がります。中には数十倍の値上がりを見せるトークンもあるようなので、ダイヤの原石を見つけることができれば億万長者も夢ではありません。原石と申し上げた通り、プロジェクトのなるべく早期かつトークンが値上がりしていない段階で購入した方がもちろん値上がり益は大きくなります。ただし、その分プロジェクトの先々までを見通すことは難しく、失敗に終わってしまう可能性も否めません。

もう一つのメリットが、そのトークンを使って提供されるサービスを利用できるというメリットです。ICOで資金を調達し開発される商品の中には購入や利用にトークンが必要となるケースも多いです。トークンの価格が安価な段階で購入しておけば安くサービスを利用できるというメリットもあります。サービスや商品を利用したい人が応援の意味も込めてトークンを購入する、というケースも多いようです。

ICOではどれだけの資金が調達できるのか

プロジェクトの主催者とトークンの購入者双方にメリットがあるICOですが、一般的にどの程度の金額を調達することができるのでしょうか。過去の事例を調べてみると、かなり短い時間の募集であっても驚くほどの大金の調達に成功した案件が多数存在していました。西粟倉村のICOがどのくらいの金額を集めるかは今のところ誰にも確固としたことは言えませんが、参考までに過去に行われたICOの成功例を見ていきましょう。

例えば、ブラウザ開発を行うBraveという会社ではICOを実施しオリジナルトークンを公開してからわずか30秒後に3,500万ドルの調達に成功しました。ほかにも、ALISという日本のベンチャー企業は4分で1億円を、テックビューロ株式会社は1ヶ月ほどの期間で109億円の調達に成功しました。もちろん、これらははなはだしい例ですが、ICOによる資金調達には大きな可能性が秘められています。仮想通貨は場所的な制約に縛られないので、日本の案件であっても世界中から資金を集めることが可能になります。そう言った意味では、西粟倉村が現在国から交付されてきた8,000万円/年という金額は以外とあっさり達成されてしまう可能性もあります。

世界の国や自治体におけるICOによる財源確保の例

ICOを活用した財源の確保は西粟倉村の試みが初というわけではありません。なんとすでに国家単位で仮想通貨を発行し資金を得ようとする試みがなされている国もあります。革新的な仕組みをいち早く導入したのがバルト三国の1つであるエストニア。エストニアでは国家として仮想通貨を発行する試みを検討中なのです。正確にいうと、国が発行するというより国家の財務戦略として推進するだけになるという可能性もまだありますが、いずれにせよかなり新規性がある試みであることには間違いありません。

エストニアは非常に電子化が進んだ国で、非現金化、電子決済の利用が広く普及しています。政府としてもこれを活かした施策を実施しており、税務上の申告無しに収入や税金額が把握できる仕組みなども整備されています。そんな先進国家であるエストニアですが、さらにびっくりすることに、国内に居住していなくてもエストニア国民になれる「電子居住者」というシステムまで持っているのです。電子居住者たちには電子居住者が利用できる専用の銀行も存在しており、法人の設立すらできてしまうのです。先端技術や革新的な考え方に対して非常にオープンなマインドを持った国民性を鑑みると、資金調達に仮想通貨を用いるというアイデアが出てくるのも納得できますし、ICOや仮想通貨との相性も良く資金調達に成功する可能性も高そうです

自分が居住している以外の自治体への投資というと、日本では「ふるさと納税」がすでに行われています。これを仮想通貨を介して行うことで手続きの煩雑さを回避できたり、手続きがよりスピーディかつ手軽になっていくというメリットがあります。一方で、法的な整備の未熟さや、国内における新技術への信頼の低さといった問題点も山積しています。また、ICO詐欺が後を絶たないことからこういった案件事態に対する信頼度もまだまだ低いのが現状です。世界各国や海外の自治体において導入や成功事例が積み重なれば日本における状況も徐々に変わっていくかもしれません。

まとめ:ICOは今後さまざまな自治体や個人の資金調達に利用されていく可能性が高い!

いかがでしたでしょうか。仮想通貨を用いた資金調達手段であるICOを日本の自治体としては初めて西粟倉村が採用したニュースについてお伝えしました。発行元、投資家の双方にメリットがあるICOでは資金の調達が従前と比べて容易かつスピーディになっており、西粟倉村のICOでもその話題性の高さから資金調達が成功する可能性が高いという見方も強いです。仮想通貨そのものやICOに対する信頼度がまだまだ十分に高いとは言えないのが日本の現状ですが、今回のように地方自治体などの機関によるプロジェクトが成功すれば日本におけるICOを取り巻く環境も一気に進展することが予想されます

誰でも簡単に仮想通貨が発行できる現代。株式の発行のように法人登記も必要なく、クラウドファンディングのように仲介業者による手数料の徴収もないICOによる資金調達は今後どんどんメジャーになっていくかもしれません。さまざまな自治体やあるいは個人による案件がどんどん増えることが予想されるので、しっかり情勢をウオッチしていきたいものです。最後まで読んでいただきありがとうございました。