1000件以上の仮想通貨プロジェクトが何らかの理由で終了している
テッククランチによると、CoinopsyとDeadCoinsは何らかの理由で失敗した仮想通貨プロジェクトをリスト化しているサイトであり、この2つのサイトを調査したところ2018年ですでに1000件以上の仮想通貨プロジェクトが失敗に終わっていることが分かったと報じています。
仮想通貨プロジェクトが失敗した理由はいくつかありますが、
- もともと詐欺プロジェクトだった
- 利用者が少ない(トランザクションが少ない)
- ノードがない(ネットワーク参加者がいない)
- アバンダンウェア
アバンダンウェア・・・著作権者(ここでいう開発者)がすでに開発をやめてしまったりサポートしていないプロジェクトのことです。著作権者がそのプロジェクトを放棄してしまっても、著作権を放棄していない限りはそのプロジェクトを取得することは法律で禁じられているので、多くの仮想通貨プロジェクトも放棄されたまま終了しています。
などが主な理由として挙げられます。
失敗に終わったなかで有名なプロジェクトにBitConnectがあげられます。このプロジェクトは、比較的時価総額も高く多くの方に期待されていたにも関わらずポンジスキームであったとされています。BitConnectが破綻した日に価格が90%以上下落したことは大きな話題になりました。
ポンジスキーム・・・出資をしてくれれば資金を運用し、利益が出れば配当を出しますと謳っているが、実際には出資してもらった資金を着服し、あとから出資してくれた人からの資金を配当金に回すことであたかも利益が出て配当を出していると偽ること。
2017年に詐欺や頓挫したICOは総額10億ドルもの資金調達を行なったとみられています。
2017年に行なわれたICOでは約62億ドルもの資金が調達されているので実に16%の資金がすでに終了したICOによるものです。ICOによって多くの資金を調達することができるようになりましたが同時に詐欺プロジェクトの温床になっていることも見受けられます。
ICOブームは加速している
2017年 |
2018年第1四半期 |
|
ICOが行なわれた数 |
880件 |
412件 |
資金調達額 |
6,184,529,460ドル |
3,331,005,381ドル |
仮想通貨が大きく注目されるようになってここまで発展したのも、ICOによる資金調達のハードルが低くなったことがいえるでしょう。
ICORatingのレポートによると2017年には880件のICOが行なわれ資金調達額は6,184,529,460ドルとされています。しかし2018年をみてみると第1四半期の時点ですでに412件のICOが行なわれ3,331,005,381ドルが調達されています。去年と比べてもほぼ2倍の資金が調達されることになります。仮想通貨業界にとってICOでの資金調達額が増えるのはいいことに思います。しかしそれと同じくして詐欺的なプロジェクトの数も増えていくことになるでしょう。
日本のICO規制の状況
日本で行なわれるICOは現在金融庁によって管理・認可されていますが、日々ICOを行なうための基準は厳しくなっています。これは投資家保護のためでもあり仮想通貨の将来のためにも致し方ありません。しかしそれによって仮想通貨先進国といわれている日本で行なわれるICOはとても少ないです。今後は規制が厳しいがゆえに有望なプロジェクトは海外で行なわれる状況にもあるでしょう。
使い切ったゲームや音楽などのデジタルコンテンツを再販することができるプラットフォームであるAsobiCoinは、日本発のICOであるにもかかわらず日本人向けにICOは行なわないと発表されていました。しかしAsobiCoinの運営者と金融庁との協議を経て、日本人に対してもICOを行なうことが可能になったようです。経緯としてはAsobiCoinを自社で利用したり割引したりすることができる独自のポイントとして扱うことでクリアしたようです。
仮想通貨ではなく自社のみで利用できる独自のポイントとして扱うのであればOKということなのでしょう。これによって合法的にICOが行なうことができる事例となったことはとても大きいです。
日本でICOを行なうにはかなり難しいとされていますが規制を行なうのは詐欺的なプロジェクトを防ぐためでもあります。日々金融庁の方針は変わってきており仮想通貨業界にとってもよりよいものとなっていきます。
ICO詐欺に遭わないためには
ICOでの仮想通貨プロジェクトには英語が使われていることもあり日本人にとっては厳しいものであると思います。できることは限られていますが、
- ホワイトペーパーを読み込む(英語のものであればGoogle翻訳にかける)
- 多くの情報を調べる
- 有識者に調べてもらう
ということでICO詐欺に遭う確率を下げることができるでしょう。
過去に実際にあったICO詐欺や対処するための方法はこの記事に詳しく書いてありますので読んでみてください。
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