取引手数料の指数関数的向上
2017年12月、ネットワークが40万件/日の取引を処理していた頃、ビットコインの手数料は一時的に50ドル(約5000円)に達していました。
ネットワーク詰まりによる確認を待つトランザクション数は平均10万件に昇りました。
今回のニュース
今回、クジラと名乗るユーザーが、48,000ビットコインをわずか0.0000675BTC(約4円)で移動させました。
これは、以前からのスケーリングソリューションの開発とピーク時のユーザー数減によるトランザクションスループットの低下を示します。
現在では、トランザクション数は平均20万件/日と半減、確認待ちのトランザクション数は5千件/日と95%減と、劇的な改善をみせています。
スケーリングの進展
今回のスケーリングの改善にはいくつかの要因があります。
Segwit
セグウィットは、トランザクションの署名フォーマットの変更で、署名データを取り出して別の領域に移すことでトランザクションサイズを大幅に縮小することができます。
実質的なブロックサイズの拡張により、ネットワーク負荷の軽減に繋がります。
2017年8月の実装以降、全トランザクションの36%以上をセグウィットアドレスで実行しています。
Lightning Network
UTXOチェーンに必要なスループット(処理速度)要件の負担を軽減し、互換性のあるセキュリティ強化とプライバシー保護、オニオンルーティングを提供するオフチェーンプロトコルです。
この技術は、メインチェーンとは別にオフチェーン上に「支払いチャネル」というものを作成し、その中で一連の取引を行うことができるようにするものです。
ブロックチェーンには記録されず、オフチェーンで頻繁に行うことができる少額決済に適します。
BlockStreamによると、6か月前が46のオープンチャネルと0.682BTCの容量だったのが、7800のオープンチャネルと26BTCの容量へと、拡張されています。
まとめ
今回のニュース記事では、ビットコインの取引手数料大幅減の事例を取り上げました。
ピーク時と比較して、低価格でトランザクション処理を可能にするSegwitとLightning Networkの技術により実現しました。
一方で、スケーラビリティソリューションが進展し、現在のユーザー数で実現した数字であり、この現状がビットコインのブロックチェーンソリューションの決済の利便性のレベルが推測できるかと思います。
やはり多くのユーザー数のトランザクションを抱えると、ネットワーク詰まりを起こしてしまうので、今後の技術発展もしくは利用法の新たな模索が期待されるでしょう。
参考
“鯨”は48000ビットコインをたった4セントの取引手数料で移動させた-スケーリングソリューションの進展
Segwit
Lightning Network