なるほど!をお届けする仮想通貨情報メディア

  • BTCBTC

    365,355円

  • ETHETH

    9,525.1円

  • ETCETC

    406.94円

  • LTCLTC

    2,668.2円

  • BCHBCH

    9,183.3円

  • XRPXRP

    32.524円

  • LSKLSK

    0.0000円

  • XEMXEM

    6.8985円

Tether疑惑に関する論文から

#この記事の要約

論文では、usドルとペグする通貨であるテザーが、近頃の高騰に伴いビットコインやその他の暗号通貨に影響を与えたのだろうか、という点を調査しています

ブロックチェーンデータをアルゴリズムを用いて分析することで、テザーを使用した売買が、市場を不況に導き、その後相当の大きさのビットコインの高騰という結果をもたらしていることが発見できました。

一年の間で、たったの数時間である1%にも満たない大きなテザーでのトランザクションが、50%のビットコインと64%の他のアルトコインの高騰に関連していることもわかっています。

その流れは、高値の下方に集まり、ビットコインにおける非対称の自己相関を誘導し、月末前にテザーを買い戻すことを示しています。

これらのパターンは、投資家の需要の現れという形では説明できず、テザーが価格調整や価格操作のために使用されたという説における供給ベースの仮説により一貫して説明できます。

 

はじめに

数年で市場資産総額が300億を超える勢いにまで成長するであろう仮想通貨市場は、極端な投機による歴史上のバブルに近いものがあります。

多くの仮想通貨が、銀行や政府などの第三者機関からの介入を逃れたことによる透明な取引決済により、よりよい金融システムを提供することを実現しています。

そもそもビットコインの概念は、2008年から2009年の金融危機に端を発しており、政府の不必要な介入や主要銀行の度重なる不祥事へ人々の不満の声が上がってきたことによります

ネットワーク上のノードが独立してトランザクションを検証することによる分散化台帳ブロックチェーンの確立は、外部ハッキングと内部操作の両面が既存システムでは心配事となっていたために、大きなアピールとなっています。

 

顕在化しつつある問題

一方で、現在仮想通貨取引の大部分が、取引所による中央型管理で行われています。

これらの一連の取引は、金融の制御できる範囲を大きく逸脱して行われており、限られた透明性を提供するのみです。

更に、ビットコインや他の暗号通貨は、銀行関係による正当な関係を定める必要性なくして取引が行われています。

第三者機関による監視や法による規制のない取引では、投機や操作といった不正が萬栄する要因となりえます。

 

テザーとは

テザーは、USドル準備によって価値が担保され、銀行との関わりなしでドル価値で取引ができ、それは多くの他の通貨が価値を維持したり得たりするのが難しいところです。

数々のブログ圏や報道機関がテザーの償還に必要なUSドル準備に関連して懐疑の目を向けている一方で、仮想通貨の交換においてはそのような心配は大いに拒絶され、テザーを使用したトランザクションは広く行われています。

 

仮想通貨名

Tether(テザー)

通貨単位

USDT

運営

Tether Limited社

公開日

2015年2月

認証アルゴリズム

PoR(Proof of Reserve)

公式サイト

https://tether.to/

ホワイトペーパー

https://tether.to/wp-content/uploads/2016/06/TetherWhitePaper.pdf

仮想通貨Tether(テザー)を解説!

研究の論点

現在顕在化しつつある問題の一つとして、ブログ圏や主流の報道機関では、2017年第二四半期からテザーに関する疑問が上がっています。その争点は、テザーがビットコインの価格に影響しているのではないか、という点です。

テザーが平常では考えられない程に大量に印刷されており、その発行がビットコインの高騰の要因となっているのではないかという疑惑が高まっており、

最も巨大な通貨であるビットコインと、大きな取引量が計上されている通貨のひとつであるテザーとの間の相互作用を調査しています。

テザーがビットコインの価格高騰に影響を与えたことに関する仮説への可能性である、1).テザーが押されたか(需要駆動)、2).もしくは押したか(供給駆動)についてフォーカスします

1の需要駆動では、もしテザーが押されたか投資家が所有する法定通貨によって求められたとするなら、テザーの発行はデジタル通貨の柔軟性やドルにペグされたその安定性に価値を見出した投資家の需要により促進されたと言えます。つまり、テザーの需要は、クロスエクスチェンジによる価格の裁定取引に従事するうえで実用性があったから生じたと考えることができます。

2の供給駆動では、もしテザーが市場参加者の手でプッシュされた場合、ビットフィネックスが、ビットコインやその他の仮想通貨を購入するために法定通貨を使用する投資家の需要とは関係ないところでテザーを供給したといえます。必要とされるビットコインは、徐々にドルへ交換されることがなしえます。

 

需要駆動側のインセンティブ

為替裁定取引における有用性、流動性の促進

テザーの印刷は、通貨交換における価格差を軽減することで為替裁定取引を促進するための有用性という意味で駆動されるものです。

価格の変動が激しい仮想通貨市場において、ドルとペグされ価格が安定しているテザーは、価格差を利用し利ザヤを稼ぐ為替裁定取引と相性が良いです。

 

 

供給駆動側のインセンティブ

需要を人工的に作り出したい

もしテザー創設者やビットコインを早期から多く保有する者や取引所が存在するなら、テザーをただ印刷することで、ビットコインやその他の通貨への需要を人工的に作り出したいというインセンティブが働くのは十分考えられるということです。

追加の通貨を印刷するインフレのような行為は、仮想通貨の時価総額をプッシュすることになります。

 

テザーの発行により価格操作しやすい

組織的なテザーの供給は、戦略的に取引するなら仮想通貨を操作するチャンスになり得るということです

価格が下落基調の時、テザー印刷者は、テザーをビットコインに替えることでビットコインの価格を上げ、いくらかのビットコインを売りドルに戻すことで、ビットコインの価格を上げテザーのドル準備を補充することができます。

 

価値のある売り付け選択権をもつ

最終的に、仮想通貨が暴落した場合、テザー印刷者は、本質的にテザーを償還しないことによる売りつけ選択権を行使するか、潜在的にテザーもしくは関連するドルが消えたというハッキングを受けたことにすることができます

 

*売り付け選択権(ストックオプション)

決められた日時に決められた価格で売る権利のことです。

オプションの買い手には権利があり、売り手には義務があります。

買い手は、期日に権利行使価格で売却する権利をもつが、これは必ず売らなければならないというわけではありません。

売り手は、プットオプションの買い手の要求に応じて権利行使価格で買う義務があります。

 

証拠となるデータ

テザーが、テザーブロックチェーン上で、主要な市場参加者の間で、流通したのかを示す図

上図は、テザーの発行から取引の流れを追ったものです。

流れは右回りで、それぞれのノードは流入と流出の量に比例したサイズになっています。

発行されたテザーは、まずビットフィネックスに流され、その多くがポロニエックスやビトレックスでの交換に使用されます。

テザーは、また別の取引所や実体へ流れ、時間の経過とともに交換の媒体としてより拡散しており、この点が研究をより困難にしています。




テザーとビットコインの価格推移

累積するテザー発行量が、ビットコイン価格とUSドルの両方の価格を決めています。

最初にテザーが発行されたのが2014年10月6日で、2017年3月6日には25億の時価総額になっています。

そして2017年3月7日から2018年1月の間には、22億以上のテザーが発行されています。2018年3月25日には、テザーは時価総額ランキング14位に位置し、25億ドルの時価総額があります。

テザーの発行とビットコインの価格上昇にはある程度の比例相関があります。

通貨ごとの取引に使用された通貨、ドルやテザー

テザーと比較してUSドルにおける主要な通貨のトランザクションが、CoinAPIで集められた図です。

USドルによって売買されてきた多くの仮想通貨が、テザーが占める割合が多いものになっています。

加えて、どれだけ入念にビットフィネックスの公式声明を調査しても、ビットフィネックスのトランザクションがドル付けかテザー付けかどうかがはっきりしていません。ビットフィネックスに値付けされた価格は、USD交換よりもテザー交換による価格付けに密接しています。今後、テザー関連で値付けされたトランザクションが、ビットフィネックスでは増えると考えられています。

もし、テザー供給が大きいなら、ビットフィネックスからのテザー付けのビットコインの購入は、ビットコインと他の仮想通貨の価格高騰を導いています。この影響は、巨大なテザー発行の時期と被ると発表されています。

 

テザーがビットコイン下落時の回復に使用される

ビットコイン価格におけるテザー発行体の潜在的な重大さと前兆となる影響を描写するために、私たちは、ふたつのブロックチェーンにおけるテザーとビットコインの流れを組み合わせた大きな遅れである数時間について焦点を置こきます。

これら87時間には、その悪意のある買戻しだけでなく、その流れを追いかけることによる反転状況もみることができました。これら87の出来事は、2017年3月に始まり、2018年3月に終わるまで、1%にも満たないが、50%のビットコインの値戻りを構成し、64%の他仮想通貨(ダッシュ、イーサリアム、イーサリアムクラシック、ライトコイン、モネロ、ジーキャッシュ)の値戻りに関連していました。1万の模擬実験によるブートストラップ解析では、これらの変動パターンはランダムに起こらないと実演されています。

テザーがビットコイン下落時に使用されていたという意見に一致する、ビットコイン価格における統計的で経済的な強い反動を見つけたが、それは悪意のある返還においてのみです。ビットコインの価格反転は、テザーが市場に現れる前は存在せず、テザーが発行するのをやめれば止まることを説明する必要があります。

 

銀行との提携を失っていること、外部監査を避けていること

2017年4月に、テザーはウェルスファーゴという台湾の銀行との提携を失っています。

それ以来、銀行との詳細の開示なしで20億のテザーが発行されています。

加えて、テザー発行体は、外部監査を雇う確実性を明らかにしなくなりました。

 

ドル準備の補充のために月末のビットコイン売り

もし、テザーが投資家が保有するドルによる需要ではなくほかの通貨との交換によって押されたなら、テザーが発行された時それはドルによる供給ではないでしょう。

そのために、もしテザー発行体がドル準備を明確にし裏付ける月の銀行取引明細書を公表するなら、月末のビットコイン買いにおける清算を余儀なくされます。興味深いことに、月末の普通でないテザー発行体によるビットコイン返還を、6%の月に見出しました

月末のビットコイン下落はテザー発行体の発行量と相関しており、テザーが発行してない月は普通ではないビットコイン返還が見られていません。

 

価格操作

投資家は基本的に価格を安定・上昇させることを望み、頼みの綱としての下限として一定の敷居価格であるかを注意します。この考えは、もしある投資家が価格の下限を実演し、他の投資家へ購入するように誘導できたら、という可能性を導きます。

興味深いことに、ビットコインはビットフィネックスに強く買われ、500の倍数直下で高騰しています。

 

USドルとのレート

テザーは、USドルに関するテザーの価値が向上した時印刷されており、下落した時印刷されていません。テザーの流れは、テザーUSドル間のの為替レートに関連するべきです。

テザーの流れが投資家の需要によるものとしての相関関係があるならば、テザーに関連するUSドルへの為替レートも相関するはずです。

 

この問題からみられる考察

テザーの印刷がスマートコントラクトによるものではないこと

投資家需要を促進し、異なる通貨の裁定取引における有用性は、多くの通貨が価値が安定せず困っている中で、優れています。

一方で、このUSドルにペグした通貨が、スマートコントラクトによる印刷でない点は懸念材料です。外部監査も解消しています。

ドル準備を保証するために月末に銀行取引明細書を提出する必要があるために、月末にビットコイン売りを行う月が実際に確認されており、価格操作を行っているという証拠になりえます。

 

取引において第三者機関の仲介が必要であること

そもそもビットコインに始まる仮想通貨は、2008年からの金融危機における政府の介在や金融機関の不正など第三者機関の仲介がもとで発生したことに端を発し、P2Pで電子決済が可能であるとして、広く認識されるに至りました。

しかし、現在はブロックチェーンの規格の違いにより、個人で直接通貨の交換(アトミックスワップ)を行うことは難しいです。そのために、第三者機関である取引所を介する必要があります。

BitSharesやKyberNetWorkなど中央取引のリスクを認識し、分散型取引所の普及に努めているプロジェクトも多いですが、現段階では似たような特徴の通貨にのみ対応していたり、手数料が高かったり、トラストレスなホストを必要とする形態など、模索中である部分が大きいです。

 

テザーが多くの仮想通貨売買に使用されていること

テザーは多くの仮想通貨の売買に使用されおり、それはUSドルに匹敵し、通貨によっては大きく凌ぎます。

中国など資本移転が厳しい国では投資家からの需要が大きかったり、価格の安定性から裁定取引に有効であったりします。

一方で360億のウォレットアドレスと何十億かのトランザクションを含む170GBのビットコインブロックチェーンは、その複雑性からよりそのテザーの追跡を困難にしています。

UTXOの特徴から、複数のウォレットアドレスやトランザクションを持つことは、その送金を円滑に行うために必要です。

その複雑性は、2017年におけるブロックチェーンの10分間のランダムなサンプルを抽出したこの図からも確認することができます。それぞれのノードはウォレットアドレスを示し、縁はコインの流れを示します。

テザーの発行量と取引量が増加するにつれ、この影響は乗数的に拡大し、原因の追究をより困難なものにします。

 

*UTXOモデル(Unspent Transaction Output)

ビットコインで採用されるUTXOモデル(Unspent Transaction Output)とは、直訳すると使われてないトランザクションの出力のことで、通貨の移動のみを記録するモデルになります。

アカウントベースのイーサリアムやネムは、銀行口座のように残高がブロックチェーン上に記録されるので、匿名性が低いという問題点を抱えます。

トランザクションの処理の際には、UTXOを採用するのが良いと言われます。

まず、トランザクションはインプット(着金)とアウトプット(送金)から構成されます。

送金する際のトランザクションアウトプットがUTXOになり、着金の記録が次のトランザクションになり、UTXOが着金先に反映されます。

アカウントベースのUTXOにおける残高の算出は、UTXOを全て計算することにより算出します。また、UTXOは分割できないので、おつりが発生する時はおつり分を受け取るアドレスを指定しないといけません。

まとめ

私たちの結論は変わらず、テザーは市場によって押され、主として投資家需要による駆動ではなく、押し仮説に関して調査します。

概して、私たちはテザーが仮想通貨市場に多大なインパクトを与えたと考えます。テザーは、ビットコイン価格を安定させることと操作することの両方において利用されています。

しかしながら、仮想通貨とは比較的新しい分野で、異なる通貨間の交換においての取引システムはさらに複雑です。この複雑性こそが、為替取引の本当の姿とその影響と不明瞭にしています。

 

適切で規則正しい枠組を備えた市場監査が市場が取引を行う上で正当で信頼のおける機関であるために必要である、と提案します。この市場における更なる理解のためにより調査が必要だと感じています。

2018年6月21日現在、Tether疑惑に対して、TetherLimited社が報告書を発表しており、若干の進展をみせています。

Tether疑惑に進展

参考

「is bitcoin realy un-tetherd?」

https://www.macrobusiness.com.au/wp-content/uploads/2018/06/SSRN-id3195066.pdf

「ビットコインのトランザクションにおける「UTXO」を分かりやすく解説してみた」

https://zoom-blc.com/utxo-bitcoin

tether 公式

https://tether.to/