ビットコインを含む仮想通貨は、何かいい情報が出たり悪い情報が出たりすると価格が大きく変動します。
ですが、何も情報が出ていないにも関わらず価格が大きく変動することがあります。
この際、今後発表される情報が、情報発信元から外部に流れその情報をもとに取引されている時が多く、これまで問題視され続けてきました。
これは一般的にインサイダー取引というのですが、株取引では金融商品取引法で規制されています。
ですが、仮想通貨にはこの金融商品取引法が現在は適用されないため、インサイダー取引が事実上やりたい放題となっています。
そこで日本の仮想通貨交換業協会JVCEAが、インサイダー取引を規制するために「自主規制ルール案」を発表しました。
目次
仮想通貨交換業協会JVCEAが「自主規制ルール案」を発表
先ほど紹介した自主規制ルール案ですが、これは今まで無秩序だった仮想通貨情報を健全な市場に正すために定められたルールであり、情報がいち早く入ってくる仮想通貨交換事業会社の役員や職員に対して事前に取引をすることを禁止することが、主なルールの内容となっています。
またこれらの方達だけではなく、これらの方達と繋がっている身内などにも目を光らせて、不正なインサイダー取引をすることも禁止する内容となっています。
実際に起きたインサイダー取引を全てあげるときりがないですが日本国内でも目立ったインサイダー取引がいくつかあり、かなり問題視されていました。
今年目立ったインサイダー問題
今年だけでも目立ったインサイダー取引があり、その範囲を国内だけに留めてもではありません。
ビットフライヤーでのLISK(LSK)上場情報
ビットフライヤーには今年LISK(LSK)が上場しましたが、実はこの上場する情報が上場前からすでに流出しており、その情報をもとに購入した投資家が数多くいました。
その情報も上々直前ではなく去年の12月には流出しており、その頃からビットフライヤーにリスクが上場するのではないかとざわつかれていました。
上場については単なる噂であり、LISKの価格を上げたい人が嘘(FUD)を流しているとも解釈されており、ビットフライヤー自身も情報が流出した形式はないと発表していたため噂の域を出ずにいました。
一部、当社の取扱予定コインについて情報を入手したと述べる方がいらっしゃるようですが、全て虚偽と思って下さい。当社では情報を厳格に管理しています。
— 加納裕三 (Yuzo Kano) (@YuzoKano) January 7, 2018
噂はでたもののなかなか上場せず、もし噂が事実だったとしたら上場する情報が漏れすぎて上場中止になった可能性も考えられていましたが、1月後半に急にリスクが上場する情報を発表し情報流出が確定だと多くの仮想通貨投資家が判断しました。
【リスク(LISK)取扱い開始のお知らせ】アルトコイン販売所にて「リスク(LISK)」の取扱いを開始いたしました。PC より bitFlyer にログイン後「アルトコイン販売所」から「リスク」のタブをクリックしてお取引いただけます。https://t.co/5O5iTtrJuJ pic.twitter.com/h6lNrGD4Zj
— bitFlyer(ビットフライヤー) (@bitFlyer) January 31, 2018
インサイダー疑惑について、このツイートに大量のコメントで書かれているので気になる方は見てみると良いでしょう。
ビットフライヤーのSFD予告情報
ビットフライヤーにはレバレッジ運用ができるビットコインFXがあるのですが、このビットコインFXはビットコイン現物と独立しており価格乖離がかなりおきていました。
この価格乖離を縮小させるために、価格乖離を推進する取引をした際に手数料を徴収するシステムを発表しました。
そのシステムが実装されたら、当然ビットコインFXにおいて価格乖離が収まりビットコインFXの現在価格が急落することは目に見えているので、ビットコインFXをしていた投資家は、一気にロングポジションを解消し、ビットコインが暴落しました。
しかし、このシステムの発表がくる数十分前からビットコインの価格下落が起こり始めており、情報流出があると考えられていました。
さらに、このシステムの予告は一回だけではなく、なぜか3回も行ったためその度に価格が暴落し、価格が意図的に操作されているとも言われていました。
3回ともニュースを発表前に価格が下がり始めていたほか、LISK上場の情報流出とも時期がかぶっていたため、ビットフライヤーがかなり問題される要因にもなりました。
海外取引所ハッキング問題
インサイダー取引は国内だけではなく海外でも数多くを起きています。
海外の取引所でも、新しい仮想通貨が上場するという情報が出る数時間前から価格高騰が始まり、間違いなくインサイダー取引が行われていると言われています。
完全な規制ではない
今回発表された自主規制ルール案は、あくまで自主規制なので法的抑止力はありません。
このルールについてどれほどの抑止力があるかは発表されませんでしたが、もしこのルールがきっかけでインサイダー取引が減るようであれば、少しは市場が健全化するでしょう。
自主規制であるため守らない層も一定数いると思われる
あくまで自主規制であり守らなければ犯罪で捕まるということはまだありません。
そのため、この自主規制ルール案を守らない人もいることは間違いないため、完全な規制にかわるまではインサイダー取引はなくならないでしょう。
今後この自主規制を元に法律が作られる可能性もある
今後、この自主規制ルールはをもとに金融商品取引法などの法律に影響してくる可能性があります。
そして、仮想通貨取引においてインサイダー取引をすることが完全に法律で規制されると、今後インサイダー取引を行うことはれっきとした犯罪となってしまうので、仮想通貨市場が健全化する可能性が高まります。
あくまで日本だけに適用される
このインサイダー取引自主規制案は、日本でのみ適用されるルールであり、海外では全く効力を持ちません。
そのためこのルール案が施行された後も、海外ではごく普通にインサイダー取引が行われている可能性があるということであり、世界規模で見ると市場の健全化は難しい状況です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
インサイダー取引は情報を持っていると確実に利益を得ることができるため、短絡的に考えると魅力的ですが、本来はやっていけない行為であり、実際に株取引では法律で規制されています。
そのため、投資する場合はインサイダー情報に頼らず、他の方法で投資する情報を集めたり分析するようにしましょう。