なるほど!をお届けする仮想通貨情報メディア

  • BTCBTC

    371,008円

  • ETHETH

    9,814.4円

  • ETCETC

    422.33円

  • LTCLTC

    2,914.3円

  • BCHBCH

    9,251.7円

  • XRPXRP

    32.881円

  • LSKLSK

    0.0000円

  • XEMXEM

    6.9359円

韓国における仮想通貨の現状

 韓国は、アメリカ、中国、日本に次ぐ仮想通貨の取引量を誇っており、仮想通貨大国のひとつであると言われています。今回は、韓国における仮想通貨の現状として、仮想通貨がどのくらい国民生活に影響を及ぼしているのか、その発展の経緯、そして今後の可能性を見ていきます。

韓国の国民生活を取り巻く状況

国民生活に密着した仮想通貨

 すでに述べたように、韓国は世界有数の仮想通貨大国で、アメリカ、中国、日本に次ぐ世界第4位の取引量(時期によっては、2位または3位になることもあります。)を誇ります。

 また、韓国では主要仮想通貨のビットコインよりもアルトコインの取引の方が盛んです。韓国の保険研究院によると、全世界のビットコイン取引額の割合が63.4%であるのに対して、国内のビットコイン取引額の割合は32.7%にとどまっています(韓国・保険研究院『国内仮想通貨取引の特徴と示唆点』)。

 韓国では、街中に仮想通貨のATMが至る所にあり、銀行によって仮想通貨送金サービスが提供されています。

 さらに、以下で詳しく見るように、若者を中心に仮想通貨による預貯金や投資が活発に行われており、時には社会問題を引き起こすこともあります。このことから、日本よりも仮想通貨が国民生活に根付いていると想像できます

韓国で仮想通貨取引が活発な理由

 韓国が仮想通貨大国に成長し、多くの人々が仮想通貨の取引に熱中するようになった理由とは何でしょうか。

 理由のひとつとして考えられているのが、博打好きという国民性です。韓国では主要仮想通貨のビットコインよりもアルトコインの取引量が多いことはすでに述べましたが、多くの韓国投資家は、周辺的な通貨であるアルトコインへの投資によって一獲千金を狙っていると言われています。

 二つ目の理由として、中国の仮想通貨規制によって韓国に資金が流入したことが挙げられます。中国における仮想通貨規制の実情について今回は説明を省きますが、中国の厳しい規制を避けて韓国に仮想通貨資金が流入していると考えられています。

 三つ目の理由として、現在の韓国の経済状況も考えられます。韓国では、特に20代から30代の若者の間で仮想通貨の取引が活発になっていますが、この世代の就職難は今現在も続いており、大きな社会問題になっています。彼らは、仮想通貨による投資で少しでも生活を楽にしようとしているのです。

仮想通貨をめぐる社会問題

 このように、韓国では仮想通貨取引に熱中する人が増えていますが、これに関わる事件も増えており、社会問題に発展しています。

 例えば、20181月に仮想通貨による投資の失敗を理由に30代の男性が自殺し、大きな話題になりました。

 また、韓国では、指定されたウォレットに仮想通貨を送金するよう要求する脅迫事件や、マイニング機器への投資が絡んだ詐欺事件も確認されています。

 以上のような負の側面からも、日本よりも仮想通貨が国民生活に根付いていると考えることができます

韓国における仮想通貨発展の経緯

仮想通貨規制の経緯

 かつて韓国は、IT大国と言われる一方で、仮想通貨においては中国や香港に遅れを取っていると考えられていました。

 この影響もあって、2016年頃から仮想通貨取引のための環境整備が韓国政府によって検討されるようになりました。この頃にはすでに、韓国でも仮想通貨の取引が活発に行われていたものの、デジタル通貨の定義や取引所の登録制度など基本的な法的整備が追いついておらず、取引の基盤が求められていたのです。

 同年2016年秋には、翌年2017年3月までに仮想通貨に関する制度的基盤を整えると発表されました

 2017年に入ると、それまで膨大な資産の取引が行われていたにも関わらず法的な枠組みがなかった取引所の規制取引の際の本人確認の厳格化取引によって得られた利益への課税と脱税対策等について議論されるようになりました。

 また、同年秋には、新規のICO(Initial Coin Offering、新規仮想通貨公開)禁止が発表されましたICOとは仮想通貨発行による資金調達のことですが、韓国ではICOによる詐欺が横行していました。韓国政府は、新規ICOを禁止することで、このような犯罪から投資家を守り、テロリストなどへの資金流出を防ごうとしたのです。

 他方、その間に、韓国の主要銀行である新韓銀行がビットコインの送金サービスを開始韓国無料通信アプリのカカオトークを運営するカカオ社が取引所アップビット(Upbit)を設立しました。

 このように、国家レベルだけではなく民間のレベルでも仮想通貨取引の環境整備が行われました。

 以上のように仮想通貨取引のための環境が整うに従い、人々の仮想通貨に対する関心は高まる一方でした。

仮想通貨取引の是非を巡る攻防

 以上のように、韓国における仮想通貨取引の環境は急速に整備されましたが、その一方で仮想通貨に関わる事件や問題も増加しました。

 例えば、2017年末に韓国の取引所ユービット(Youbit)が、サイバー攻撃による資産の流出のため経営破綻しました。サイバー攻撃には北朝鮮が関与していたという説がありますが、詳しいことは明らかになっていません。

 加えて、仮想通貨による投資の失敗を原因とした自殺、脅迫、詐欺といった事件も引き金となり、2018年1月に韓国政府は、国内での仮想通貨取引禁止を検討していることを明らかにしました。これに対して、若者を中心とした国民は猛反発し、反対の署名活動や請願運動に発展しました。また、SNSなどインターネット上でも大きな反響がありました。結局、韓国政府はこの検討を撤回しましたが、仮想通貨に対する国民の関心の高さがうかがえます。

 韓国での仮想通貨取引の継続は認められましたが、同じく2018年1月に実名による取引が義務付けられました。これまで韓国では、実名によらない仮想通貨口座の開設が可能でしたが、これが禁止されました。さらに、銀行口座の実名とは異なる仮想通貨アカウントの使用も出来なくなりました。

 また同年春には、韓国当局は取引所と連携する銀行の調査に乗り出しました。この時対象になったのは、国民銀行、ハナ銀行、NH銀行でしたが、銀行に対する締め付けというよりは、詐欺やマネーロンダリングなどの犯罪を防止するためだと考えられています。

 このように、一時は仮想通貨そのものの存続が危ぶまれましたが、取引の容認とそのための環境整備に再び力が注がれることになりました

まとめ

 今回は、韓国における仮想通貨の現状を、国民生活と規制の観点から見ました。

 韓国では、仮想通貨が急速に普及しましたが、それに伴う社会問題も浮き彫りになり、さらなる取引環境の整備が求められています。現時点で韓国は、仮想通貨に関わる犯罪防止や取引で得られた利益への課税を中心とした法整備に向かっています

 また、国民生活のレベルでは、例えば、ソウル市が独自の仮想通貨(S-Coin)の導入を検討しています。同市では、独自の仮想通貨とブロックチェーンによって、福祉手当の給付や公共交通機関の利用の利便性を向上させようと計画されています。

 このように、韓国では今後の法整備によって、より健全な仮想通貨取引が実現する可能性があります。それと同時に、仮想通貨がますます国民にとって身近な存在になると予想されます。