なるほど!をお届けする仮想通貨情報メディア

  • BTCBTC

    626,462円

  • ETHETH

    19,659円

  • ETCETC

    838.07円

  • LTCLTC

    4,731.9円

  • BCHBCH

    44,060円

  • XRPXRP

    54.197円

  • LSKLSK

    242.69円

  • XEMXEM

    10.496円

予測市場に関する仮想通貨とは?特徴や将来性、主要通貨を紹介

予測市場は英語だとprediction marketと表記されます。簡単に言うと「将来予測するための先物市場」のことを指します。これだといまいちピンと来ないので言い換えると、「未来の出来事に対して予測をたてお金を賭ける市場」のことです。予測市場でお金を賭けた人々は、予測が正しければ報酬を受け取ることができ、間違っていれば賭け金を没収されてしまいます。既にお分かりかと思いますが、予測市場はギャンブルと非常によく似たシステムです。例えば競馬やボートレースでは、レースの結果という未来の出来事に対して誰が勝つかという予想を行いお金を賭け、予想が当たればオッズに従って配当が出ますし外れれば掛け金が失われます。

予測市場は「それなりに確か」な結果が得られる?!

一見、素人が寄り集まってただ予想をしているだけにも感じられますが、実は予測市場はそれなりに確からしい結果が得られる可能性が高いと言われています。ニューヨーク大学のスティーブン・フィグルースキー教授の研究結果を著した著書『普通の人たちを預言者に変える「予測市場」という新戦略』によると、数年分の競馬レースの結果を調べた結果、競馬のプロの予想屋が勝ち馬を当てる確率は28.7%だったのに対して一般の人々の予測が当たる確立はは29.4%でありプロの予想を上回っているという結果になりました。

また、2004年にはジェームズ・スロウィッキーが自身の著書で「群衆の知恵(the wisdom of crowd)」という概念を発表しました。即ち「みんなの意見は案外正しい」ということですが、多様な集団によって到達した結論は一人の専門家の意見よりも常に優るという点でこれまでの説とは正反対の意見であり革新的でした。このように、予測市場は専門家個人の意見よりもより確からしい推定を抽出するのに役立つのです。

既存の予測市場は「中央集権的」

今までにも予測市場は存在しなかったわけではありません。例えば競馬レースやサッカーくじなど、世の中には様々な予測市場が存在していますが、既存の予測市場は総じて「中央集権的」であるという特徴があります。例えば日本の競馬で言うとJRAが管理者として賭けの取りまとめをしています。このように、管理者がオッズの算出・掛金の集金と配当の分配、結果のジャッジメントといった役割を担う予測市場は「中央集権的である」と言えます。実はこの中央集権的な予測市場にはデメリットがあります

透明性が低く、管理者による不正の可能性がある

中央集権的な予測市場において、結果の判定を行うのは管理者です。従って結果の透明性は低く、内部操作などが起こる可能性もあります。例えば競馬では結果はビデオ判定で見ることができるので公正で透明性が高いように感じられますが、進路妨害した機首などの判定を行うのは管理者であり、事実が恣意的に曲げられる可能性も否めません。また、オッズの改ざんや払い戻しの留保などの内部不正の可能性もあります。

管理者が倒産した際に掛金を取り戻すことができない

もし管理主体が何らかの原因で倒産した場合、参加者は配当を得ることができません。倒産に限らず、管理主体に何らかのトラブルが起こった場合掛金が失われることになります。

管理のための手数料が高い

配当の支払いは参加者の掛金から管理者の運営コストと利益分が大幅に差し引かれた金額から行われます。従って配当の期待値は掛金の金額を下回ることになり、参加者にとって元金以上の額を取り戻せる可能性は僅少です。

ブロックチェーンで分散型の予測市場が実現!その特徴とは

ここまで、既存の予測市場が中央集権的であることやそのデメリットについて紹介してきました。ブロックチェーンによって実現する予測市場は既存の物と異なり分散型であるという特徴があります。分散型の予測市場の特徴は以下の通りです。

透明性が高く内部不正が起こりにくい

管理者が結果を判断する中央集権型と違い、結果の判断はユーザー達によって行われます。従って、透明性が高く、内部の人物による不正が起こりにくくなっています。

一部ユーザーの問題によってシステム全体の運営に影響が無い

中央集権型の場合は管理者に重大な事故があった場合などにシステム全体が立ち行かなくなってしまう恐れがありますが、分散型であれば参加している一部のユーザーに問題があった場合であってもシステムは問題無く創業を続けることができます。たとえば中央集権型であれば管理主体が存在する国の法律改正などによって運営が多大な影響を被る可能性もありますが、分散型ではその恐れも低いです。

中央集権型に比べて低コストでの運営が可能

分散型においてもシステムの運営に寄与した人に対して支払われる手数料は多少ありますが、中央集権型に比べるとその金額は僅少です。従って、参加者が配当として得られる金額の期待値は大きくなります。

ブロックチェーンを利用した分散型予測市場を実現する要素

ここまで、分散型予測市場の特徴を見てきました。非常にメリットの多いシステムですが、実現するためにはどのような技術や要素が用いられているのでしょうか。以下では4つの主要な要素について見ていきます。

    ①スマートコントラクト

    イーサリアムのブロックチェーンで有名な「スマートコントラクト」。これが分散型予測市場を実現する上では欠かせない技術となってきます。スマートコントラクトとは、契約の執行内容や執行条件を事前にブロックチェーン上にプログラムしておくことで、条件が満たされたときに自動で契約が執行されるようにする仕組みです。人の手を介さないので恣意性を排除でき、かつ改ざんのリスクや契約を反古にされるリスク無く確実に執行されるというメリットがあります。

    予測市場においてスマートコントラクトを採用すると、各自の予想をブロックチェーンに記録しておいて結果が出たら自動的に配当の支払いを行うことができます。これによって中央管理者無しでも自動で賭けを行うことができるようになり、透明性も担保されます。

    ②オラクル(Oracle)

    オラクルとは、ブロックチェーンの外部に存在するデータをネットワークの内部に取り込むためのシステムです。分散型予測市場において契約の執行はスマートコントラクトによって自動で行えることを①で説明しました。しかし、賭けの対象となる事象の結果についてはブロックチェーン上にある知識ではありません。これを外部からブロックチェーン上に取り込む、謂わば「橋渡し」的な役割を果たすのがオラクルです。
    実はオラクルにも「中央集権型」と「分散型」が存在しており、前者ではオラクルの管理主体が外部データを持ってきてその正しさを責任を持って担保することができます。しかし、予測市場が真に分散型であるためにはオラクル自体も分散型である必要があります。分散型のオラクルにおいて正しい情報をいかに持ってきて、それをどのように正しいものであると担保するかは非常に難しい問題であり、現在でも議論や開発が盛んに進められている分野です。

    ③賭けの結果についての合意形成システム

    賭けの結果が正しいものであるかどうかは、中央集権的な予測市場においては中央管理者が決定します。一方、分散型においてはこの判断も参加者達自身によって行われる必要があります。この合意形成を行うためのルールのことをコンセンサスアルゴリズムと呼びます。各予測市場のプロジェクトでは、より正しい結果が選択されるような仕組みをそれぞれ導入しています。

    ④インセンティブ設計

    分散型オラクルにおいて参加者が正しい結果を選択するようにするためには適切なインセンティブ設計が必要になります。中には自らが利益を得られるような結果になるように不正を働こうとする人もいるかもしれません。そこで、正しい結果をレポートした人に対してインセンティブとしてトークンを与えるような仕組みや、トークンを所持している人しか結果の判断を行えない=誤った結果になると予測市場プラットフォーム自体の価値が薄れ、トークンの価値も薄れてしまう、といったインセンティブ設計が必要です。

    予測市場に関わる仮想通貨プロジェクト

    予測市場の実現を目指して様々なブロックチェーンプロジェクトが興っています。こちらではその中から主要なものを3つ紹介します。利用したい予測市場を見つけたり投資する通貨を探す際にはぜひ参考にしてみてください。

    ①Augur(オーガー)

    オーガーはトラストレスな分散型オラクルが特徴の予測市場プラットフォームです。オーガーでは賭けの結果も全てユーザー間で決定するような仕組みになっています。正しい結果が採用された際にその貢献に応じて報酬が支払われるような仕組みにすることで、常に正しい結果が採択されるようなメカニズムになっています。独自トークンはReputationが由来の「REP」です。

    賭けの内容は誰でも自由に決めることができ、REP以外にもREPにブロックチェーンが利用されてるイーサリアムを利用して賭けることができます。

    予測市場の実現を目指す仮想通貨プロジェクト②Gnosis(ノーシス)

    ノーシスはオーガーより後に作られたブロックチェーンです。ユーザーが予測市場から未来のより複雑な事柄に対して洞察を簡単に得ることができ、適切な判断の助けになるようにという目的を持って作られました。

    ノーシスにはGNOとOWLという2つのトークンが存在します。GNOは他のトークン同様に取引所などで売買されており、OWLはGNOをロックする(交換・送金をできない状態にする)ことで生み出されるトークンです。OWLトークンは常に1ドルと同じ価値となるように価値固定されており、賭けをする際の手数料の支払いに使用できます。使用されたOWLやOWL以外で支払われた手数料と交換されたGNOはバーン=消滅し今後使用することができなくなります。

      ノーシスは独特なICO手法で話題になりました。採用されたのは「ダッチオークション」という方法です。ダッチオークションではオークション開始時に一番価格が高い状態から始まり、時間の経過に伴ってどんどん値段がさがっていきます。参加者は、この値段なら購入しても良いなと思った時点で支払い入札します。最終的な購入価格は全員一律、全量が完売した段階の値段となります。

      予測市場の実現を目指す仮想通貨プロジェクト③Stox(ストックス)

      ストックスは、オーガー、ノーシスよりも更に1年ほど後に興ったプロジェクトです。invest.comという法人によってプロジェクトがスタートしており、企業主体のプロジェクトであるという点において前2者とは異なっています。invest.comは中国の巨大企業「人人網」が投資して設立されたファンドで、オンラインの金融取引を取り扱う企業です。顧客と知名度を持つ企業なので、マーケティング力では他と比べて頭一つ飛び抜けている印象です。ストックスでも集中型オラクルが採用される見込みとのことですが、実用化にはまだ至っていません。

      今後の予測市場の展望

      予測市場はギャンブルのためのプラットフォームとして利用されるだけでなく、その性質を利用して保険として利用することができると考えられています。例えば、「自分が病気をするかどうか」という賭けを作り、病気になる方に賭けます。病気にならなければ予測は外れたことになるので掛金は回収され、病気になった場合は賭けに成功しているので配当が貰えるという仕組みです。

      これが実現すれば、今まで保険会社が実施してこなかった様々な物に対して保険をかけることが可能になります。また保険会社の倒産等により保険金を受け取れないリスクも低減できますし、保険金が降りるかどうかの判断に際する保険会社の判断の恣意性も排除することができます。胴元=保険会社が取る高い手数料もいらないので保険金も安く済ませることができます。もしブロックチェーンが保険の代わりとして機能するようになれば、重要な社会インフラになるであろうことは間違いありません。一方で、既存の保険会社の権益もあり法的な規制が掛けられる可能性も低くはありません。社会に広く浸透するまでには時間がかかりそうです。

      まとめ:分散型予測市場は将来性もあるが、課題も山積み

      ブロックチェーン技術を用いた分散型の予測市場は、透明性が低い等の問題があった従来の中央集権的な予測市場に一石を投じるものとなりました。保険の領域で活用されれば社会インフラとして機能する可能性もあり、今後のプロジェクトから目が離せません。

      一方で、法的な規制の可能性や、分散型であるがために倫理的に問題のある賭けを取り締まることができないといった課題もまだまだあります。例えば2018年8月にはアメリカ大統領のドナルド・トランプ氏が暗殺される可能性に対する賭けがオーガーのプラットフォーム上で興り議論を巻き起こしました。また、ギャンブルに対するイメージの悪さからコインの普及がなかなか進まないという問題もあります。こういった問題点をいかに乗り越えていくかが今後のプロジェクトが成功する鍵となるのではないでしょうか。最後まで読んで頂きありがとうございました。