目次
導入
現在仮想通貨のブロックチェーンは、厳密な台帳の違いから異なるブロックチェーンではそのままでは相互に通信することはできません。
直接的にトラストレスで通貨の交換を行う技術であるアトミックスワップの実装が難しかったり、制限されてしまうのはそのためです。第三者である取引所を介するか、似たような特徴を持つ通貨同士でしか可能でないのが現状です。
よって分散型アプリケーションがいくら機能が充実化されても、自律的に運用するだけで、他のアプリケーションとの連携やよりよいエコシステムの構築を目指すことができません。
そういった点を解消するプロジェクトがあります。
出典:Ark Blog
Ark(アーク)とは?
仮想通貨Ark(アーク)は、SmartBridgeやWebhookを活用して、異なるブロックチェーン間を相互通信したりするなど、開発者へ分散型アプリケーションの利便性を提供するプラットフォームです。
仮想通貨名 |
Ark(アーク) |
通貨単位 |
ARK |
公開日 |
2016年10月15日 |
認証アルゴリズム |
DPoS(Deligated Proof of Stake) |
公式サイト |
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ホワイトペーパー |
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ブロックチェーンエクスプローラー |
Ark(アーク)の特徴
SmartBridge
ブロックチェーン間で接続して通信する機能で、ブロックチェーン上に作成されたすべてのアプリケーションにより多くのユーザーがアプローチすることができるようになります。
ベンダーフィールドと呼ばれる特殊なデータセクションと、実行できるタスクのためにこのデータを組み合わせる特殊なエンコードされたリスナーノードを使用して、ブロックチェーン間で通信します。
Arkが異なるチェーン間を通信するために、各チェーンが小さなコードスニペッドを埋め込んでおく必要があります。これは、挿入するのが非常に簡単でブロックチェーンに害を及ぼすものではありません。
出典:Ark Blog
DPoS(Deligated Proof of Stake)
DPoSは、代表的な民主主義であり個々のユーザーは代理人を指名して、委任するために自身の保有するステークスを使用します。
代理人は、トランザクションの検証とArkネットワークの保証を行います。
彼らの任務が不十分であるか、また有権者の意思を表明しないように権限を濫用した場合、投票は廃止され、新しい代表者に割り当てられ、新たにネットワークやセキュリティが担保されるようになります。
Ark DPoSでは従来のよりコアメカニズムを変更しています。
大きな変更点は、アクティブな委任に選出できるユーザー数です。Crypti-DPoS及び元のBitsharesモデルのネットワークではデリゲートの数は101人だったのに対し、ネットワークの効率化を最大化するために、51人の代理人から選択することとしています。
また、投票体重の集計方法も変更した点も重要です。
従来のCrypti-DPoSモデルでは、あるユーザーAlexが保有するトークンが各投票に割り当てられた分だけそのまま等しく101人の議員に投票することができました。
このシナリオでは、ネットワークのセキュリティは上位のメンバーの現在の単純に投票荷重を上回るだけで制御することができます。つまり、最も高い議員投票重量が8%である場合、ユーザーは8.1%の投票荷重を得るだけで良いことになります。
今までのこれに対する反論は、この量の議決権を得ることは高コストであり、大量の資金を使用したユーザーはネットワークを攻撃することによって不必要にトークンの価値を下げることを避けるというものでした。
確かにここまで極端なケースは限られるが、可能な限りその可能性を最小限に抑え、ユーザーの影響をより平等で大きなものに戻したいと考え、その集計方法を改良しています。
あるユーザーAlexは100のトークンを保有しており、彼はその代理人に100のトークンをその価値分だけ一人のデリゲートに投票することができます。
一方で、彼は二名の代理人に投票することも可能ですが、その場合は各代表への投票の重みの価値が半減します。このように引き続き、追加で代理人を投票するにつれてその人数に比例して貢献度が軽減していきます。
これは、投票メカニズムとウェイト計算を変更することによって、意図的に起こされる敵対的買収のコストが大幅に増加するため、ネットワークのセキュリティを維持するのに遥かに合意的な方法といえます。
Webhook
アプリがほかのアプリケーションにリアルタイムで情報を提供できるようにする機能で、APIのようにデータを頻繁にポーリングする必要がない点が対照的です。
一方で、最初にそれらの機能を設定するのが難しいといわれます。
ですが、WebhookとSmartbrigeとを組み合わせることで、Arkブロックチェーン開発者はイベントを発表してコールバックを待つことで、より簡単で効率的にブロックチェーンイベントを知ることができます。
Remote Procedure Call(RPC)
RPCは、あるプログラムがネットワークの詳細をすべて理解することなく別のコンピューターネットワーク上のソフトウェアからサービスを要求することでできるようになるプロトコルです。
専用プロトコルと通信方式を標準化されたインターフェースに置き換えることで、RPCはクライアントとサーバー間のプロセスの通信を容易にするように設計されています。
出典:Ark Blog
Ark(アーク)のチャート
出典:CoinGecko
仮想通貨Ark(アーク)のチャートは、2016年10月のICO後、それほど目立った高騰はなく、2018年の仮想通貨市場全体の盛況とともに10ドル程のピークをつけました。
現在は落ち着いており、2ドル程を推移しています。
Ark(アーク)の将来性
仮想通貨Ark(アーク)は、SmartbridgeやWebhookなどの機能で異なるブロックチェーン間で相互通信を可能にします。
また、将来的にVirtualMathineの提供も考えており、JavaやPythonのコードには対応しているようです。
多くの仮想通貨が特定の技術に特化したり、イーサリアムのように分散型アプリケーションのプラットフォームになろうとしたり、特定の用途で市場を獲得したりする中、異なるブロックチェーンを繋ぎ、相互通信することを可能にする機能は希少価値が高いといえます。
出典: Ark 公式
Ark(アーク)を購入できる取引所
出典:CoinGecko
仮想通貨Ark(アーク)のマーケット別ボリュームは、Binance、Upbit、Bittrex、Bit-Zとなっています。他にも、OKExやCryptopiaなどでも購入できます。
Upbit(アップビット)
人気スマホチャットアプリ「カカオトーク」を開発したカカオ社が出資するFinTech企業によって設立した韓国を拠点とする取引所です。
アメリカ大手取引所Bitterexと連携し、124種類のアルトコインを取り扱います。
現在、日本人の利用はできません。
OKEx(オーケーイーエックス)
OKExは、BinanceやHuobiに並ぶ中国の3大仮想通貨取引所のひとつで、世界最大規模の取引量を誇るため、流動性が多い点が魅力的です。
現在は香港に拠点をおいており、90種類の仮想通貨を取り扱います。
Binance(バイナンス)
Binance(バイナンス)は2017年7月に開設された中国の仮想通貨取引所です。
Google翻訳機能を利用した日本語対応も可能です。
2017年12月には仮想通貨取引量も世界最大となり、取扱通貨も100種類以上と急成長してる仮想通貨取引所です。
また、取引手数料も0.1%と安く、取引所独自のトークンであるBNBを使えば0.05%と破格の安さで売買を行うことができます。
https://www.binance.com/register.html
Bittrex(ビトレックス)
アメリカに本拠地を置く世界最大級の仮想通貨取引所です。200種類程度のアルトコインを取り扱います。手数料は0.25%で、Poloniexと比較すると少々手数料が高いかもしれません。
Cryptopia(クリプトピア)
仮想通貨取引所Cryptopia(クリプトピア)は、ニュージーランドに拠点をおく取引所で、取り扱い通貨が581種類と他仮想通貨取引所と比較してダントツで多いのが特徴です。
未上場のアルトコインを多く取り扱うので、今後価値が高騰する通貨を発見できるかもしれません。
出典:Ark Blog
まとめ
仮想通貨Ark(アーク)には以下の特徴があります。
・SmartBridge→異なるチェーン間での通信性を提供、WebhookやRPCも
・DPoS→改善されたDPoS、51人のデリゲーター、投票の重さの計算方式の変更
開発の実用性や、Stake Holderの意見が反映されやすいシステムを維持していることが仮想通貨Ark(アーク)の利点といえます。
どちらも他の仮想通貨が解決し得ない課題について積極的に着手した結果であり、オリジナリティと価値があります。今後が期待できる通貨のひとつといえるでしょう。