目次
導入
ビットコインは、改ざん不可能で分散管理されたデータが誰でも閲覧可能である透明性という点で既存の中央管理による権限の集中などのデメリットを解消する技術として注目されています。
ですが、現状では仮想通貨売買における全ての取引データ(個人のアドレスや取引履歴)を、分散管理し閲覧可能であることは個人のプライバシーの観点から、適しないという問題が生じています。
こういった問題を考慮して匿名性に特化した仮想通貨が開発されています。
仮想通貨Dash(ダッシュ)とは?
仮想通貨Dash(ダッシュ)は、即時決済機能と匿名決済機能を提供する仮想通貨です。
2014年に開発された比較的歴史のある仮想通貨のひとつで、何度か改称を経て現在に至っています。
ここでの匿名性とは、個人のアドレスや取引履歴が公開されないことにより個人情報が守られることを示します。
匿名性に特化した類似の仮想通貨として、Monero(モネロ)、Zcash(ジーキャッシュ)、Komodo(コマド)などがあります。
仮想通貨名 |
Dash(ダッシュ) |
通貨単位 |
DASH |
公開日 |
2014年1月18日 |
認証アルゴリズム |
PoW(Proof of Work) |
公式サイト |
https://www.dash.org/jp/buy/ |
ホワイトペーパー |
https://dashpay.atlassian.net/wiki/spaces/DOC/pages/5472261/Whitepaper |
仮想通貨Dash(ダッシュ)の特徴
仮想通貨Dash(ダッシュ)は二層構造であり、一つ目のの層はMinerによって制限され、Private send(プライベートセンド)という匿名性の高い機能、Instant send(インスタントセンド)という即時決済機能、ガバナンス機能などを実行するMasternode(マスターノード)で構成された二層目の層のネットワークです。
Private Send(プライベートセンド)
一般的な仮想通貨の送金方式は、送信者から受信者へ一方向の送金を実行します。
ですが、匿名性を重視するPrivate Sendは、同時間帯に送金使用としている複数ユーザーの送金取引をプールにまとめて(Coin Join)、順次送金していく方式をとります。
更に、トランザクション承認を行うマイナーも、ある条件に基づいたマスターノードと呼ばれる特定のノードによって行われます。
送金者からプールへのコイン移動に関してマスターノード自身にも誰がいくら送金しているのかわからない上に、プールから送金先へのコインの移動に関しても、送金先の情報のみで送金者の情報はブロックチェーン上に一切記録されません。アドレスの監視による送金者の追跡を防ぎます。
Instant Send(インスタントセンド)
従来の分散型暗号化通貨は、トランザクションが不可逆的であり、すでに他の場所で費やされていた金額を二重に費やす試み(二重支払い)ではないことを保証するために、十分なブロックが通過するまで一定期間待たなければなりません。 このプロセスは時間がかかり、広く受け入れられている6つのブロックが蓄積するためには15分から1時間かかることがあります。
Instant Sendでは、ネットワーク上の権限を分散させることによって、トランザクションの確認時間を短縮します。
第2層のネットワークのおかげで、これらの制限のいずれにも苦しんでいません。 Masternodesは、提出されたトランザクションが有効かどうかを判断するために投票定足数を形成するよう呼びかけ、その投票結果が有効である場合、マスターノードはトランザクションの入力を「ロック」し、確認期間中にこれらの入力の他の支出を許可しないことを効果的に約束します。この情報をネットワークにブロードキャストし、トランザクションがその後のマイニングされたブロックに含まれることはありません。
報酬の内訳は、トランザクション承認が完了した後、マスターノードで45%を分配し、残りの45%をマイナーが獲得し、10%を運営の分に充てると決まっています。
時価総額 |
ブロック生成時間 |
|
Dash |
12位 |
2.5分 |
Monero |
13位 |
2分 |
Zcash |
22位 |
2.5分 |
Verge |
29 |
0.5分 |
出典:CoinMarketCap
暗号技術「x11」について
仮想通貨Dash(ダッシュ)には、暗号方式にx11という11種の暗号方式(blake、bmw、groestl、jh、keccak、skein、luffa、cubehash、shatrite、simd、echo)を組み合わせたものを採用ししていて、消費電力も少なく、セキュリティ的に優れています。
仮想通貨Dash(ダッシュ)のチャート
出典:CoinGecko
仮想通貨Dash(ダッシュ)は、2017年はじめ頃から値上がりはじめ、2018年の仮想通貨市場の高騰に伴って1500ドルまで値を上げました。
現在は値を下げ、300ドルから400ドル程に推移しています。
仮想通貨Dash(ダッシュ)の将来性
Schnorr signature(シェノア署名)
複数の署名をひとつの署名データにまとめることが出来るのがシェノア署名です。署名データのサイズ削減により、取引手数料やスケーラビリティの軽減というメリットがあります。
このシェノア署名は、プライベートセンドと相性が良いと言われています。
取引において送信者と送信先のアドレスを隠すための技術がプライベートセンドですが、同時期に作られた複数のトランザクションをランダムにまとめて、個々の受け手に対して送金するので、シェノア署名を採用すると、匿名性の向上によるプライバシーの強化と署名データサイズの削減というメリットがあります。
Segwit(セグウィット)
トランザクションの中にある署名データを取り出して別の領域に移すことで、トランザクションの実質的なブロックサイズを大きくすることができる技術です。
スケーラビリティの問題の解消になり、ネットワークへの負荷を軽減できると期待されていましたが、マイナーが得る手数料が減ったり実装が難しいなどから過去にはビットコインの分裂の原因になりました。
Sharding(シャーディング)の実装
ノード群で全体のトランザクションを役割分担して承認する方法で、スケーラビリティの解決に繋がるので注目されています。
資金洗浄の問題
懸念として考えれらるのが、実際に匿名性暗号通貨は違法取引にまつわる資金洗浄(マネーロンダリング)に利用されていることです。
この問題を懸念していくつかの国では規制に入っており、匿名通貨は取り扱いが難しくなっており、時価総額ランキングでも一時期よりは順位を落としています。
仮想通貨DASHを購入できる取引所は?
出典:CoinGecko
仮想通貨Verge(バージ)の売買のマーケット順位は、上からZB()、HitCBTC(ヒットビーティーシー)、Huobi(フオビ)となっています。
他にもOKEx(オーケーイーエックス)、Binance(バイナンス)、Poloniex(ポロ二エックス)などでも購入できます。
Huobi(フオビ)
仮想通貨取引所「Huobi(フオビ)」は中国の三大取引所のひとつで、中国の規制などあり拠点は香港にある取引所です。
取り扱い仮想通貨は88種類と豊富で、様々な仮想通貨の売買に利用されています。ただ、他大手海外取引所の中でも、手数料が0.2%と比較的高いのが難点です。
利用者の多さやセキュリティの安全さなど評価の高い取引所です。
Bithumb(ビッサム)
仮想通貨取引所Bithumbは、韓国で60%の取引量を占める主要取引所です。
取り扱い通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、リップル(XRP)、ライトコイン(LTC)、ダッシュ(DASH)、モネロ(XMR)、ビットコインキャッシュ(BCH)の8種類です。
日本語対応しているので、大変使いやすい取引所といえます。
Kraken(クラーケン)
仮想通貨取引所Krakenはアメリカの取引所で、17種類の通貨を取り扱います。
海外取引所ながら日本円入金が可能だったり、日本語対応してるなど便利ですが、ユーザーインターフェースが見づらかったりサーバーがよくダウンしたりするので注意しましょう。
Cryptopia(クリプトピア)
仮想通貨取引所Cryptopiaは、ニュージーランドに拠点をおく取引所で、取り扱い通貨が581種類と他仮想通貨取引所と比較してダントツで多いのが特徴です。
未上場のアルトコインを多く取り扱うので、今後価値が高騰する通貨を発見できるかもしれません。
まとめ
仮想通貨Dash(ダッシュ)は、Dark sendによる匿名性とInstant Sendによる即時決済の機能をもつプライバシー性の高い決済システムです。
既に数々の企業と連携しており、今後は匿名性への規制との兼ね合いもありますが、スケーラビリティの問題を解決する機能やユーザーインターフェースの機能の充実を図り、よりプライバシーを重視した決済手段として利用されるプラットフォームを目指すようです。