なるほど!をお届けする仮想通貨情報メディア

  • BTCBTC

    1,129,750円

  • ETHETH

    23,773円

  • ETCETC

    630.45円

  • LTCLTC

    10,530円

  • BCHBCH

    32,887円

  • XRPXRP

    34.471円

  • LSKLSK

    0.0000円

  • XEMXEM

    7.2131円

ステーブルコインの分析

導入



通貨が有益であるために必要な条件として、ニューヨーク大学財政学教授のヤーマン氏による2013年の論文に基づくと、取引の媒介、価値の保存手段、価値の尺度として機能する必要があるとされています。

1000を超えるといわれる仮想通貨の中でも時価総額上位に位置する一部の通貨に関しては、小規模かつ特定の状況において、取引の媒介としての役割を担いますが、価値の保存手段や尺度として機能させるにはそのボラティリティ(価格変動性)の高さから、困難でしょう。

ステーブルコイン(Stable Coin)とは?

こうした価格の変動性の高さに対する対策として、ステーブルコインと呼ばれる通貨が出現しつつあります。

ステーブルコインは、「一定期間、安定した価格または価値を維持するよう設計されており、価格変動性が少ない」通貨であり、法定通貨を模倣し非中央集権化や安全性といった仮想通貨の本質を維持することにあります。

ステーブルコインは、将来的に仮想通貨が広く受け入れられ、日常的に使用されることを想定する上で必要です。

法定通貨担保型

これはIOUシステムのように機能する仕組みで、各トークンは銀行のような中央証券保管機関が保有する同額の法定通貨によって価値が担保されます

所有者はいつでも保有するトークンを法定通貨建ての一定価格に換金することができます。

Tether

テザーがおそらく最も有名な事例となるでしょう。

発行された全てのテザートークン(USDT)に対し、同額の米ドルが証券保管機関に預けられており、これはテザーが常に1:1で交換できることを意味しています。

一方で、価格が安定しているにも関わらず、現在テザーは多くの調査の対象になっています。多くの人はこのトークンが十分に担保されているとは考えておらず、また何億というトークンが新規発行される際に行われるはずの預金に対し、正式な監査が行われていないため、このトークンの信頼性に対して疑いが増すばかりです。

仮想通貨Tether(テザー)を解説!

trueUSD

trueUSDは、トークン化プラットフォームであるトラストトークンを基盤として構築された、テザーに似た(米ドルにペッグされた)別の法定通貨担保型トークンです。

テザー同様、こちらもまた仮想通貨コミュニティーからいくらか疑いの目が向けられています。

しかし、透明性の向上への取り組みとして、預金は日ごとの監査や所有者に対する法定保護を提供しているエスクロー口座に保管されていて、基盤となるプラットフォームであるトラストトークンは、複数の法律事務所(クーリー及びウィルマーヘイル)と共同でtrueUSDのための法的枠組みを作り出そうとしていることを考慮するとテザーよりは安全かもしれません。

Digix

同様のコンセプトを持つが、異なる資産で裏付けされているのがデジックスです。

これまで紹介してきた他の通貨とは異なり、ステーブルコインを作り出すために、このトークンが担保としているのは金です。全てのDGXトークンは、LMBAで承認された純度99.99%の金1グラムと同価値を保証します。

そのため、この通貨は1グラムの金に対し安定していると言えるが、それでもなお、金の価値が変動する以上、米ドルまたはその他の法定通貨に対しては必ずしも安定しているとはいえないのが現状です。

また、初の国家による石油により裏付けされたトークン、ペトロがベネズエラ政府によりローンチされています。各ペトロはベネズエラ産の原油1バレルにより裏付けされており、総発行費用は60億ドルになります。

問題点

法定通貨型トークン(ついでに言えば商品裏付け型トークン)は、ある程度の安定性をもたらしているものの、主にふたつの理由から日常的に使用できるトークンとして選択される可能性は少ないと考えられます。

第一に、このような通貨はスケールすることができず、大規模に導入されるために十分な量のトークンを発行したい場合、担保として大量の資金を用意しなければなりません。

また、第二に、中央当局、もしくは中央証券保管機関は、担保の保管を任せられる信用のおける場所でなくてはなりません。これはまさに仮想通貨が避けたがっている集権的な権威となる可能性があり、事実テザーやTrueUSDはその信頼性を疑われています。

 

仮想通貨担保型ステーブルコイン

仮想通貨担保型ステーブルコインは、他の仮想通貨の預金によって裏付けされていることが特徴です。

これは法定通貨担保型トークンが持つ集権的な側面に対応するためであり、価格安定性を完全に非中央集権化された環境で達成するためのものです。

この場合、最大の欠陥は明らかであり、通貨を裏付けているのが、同じくらい不安定な可能性のある仮想通貨であることです。

この点を解消するために、仮想通貨担保型コインは往々にして価格の変動を吸収するために、過剰な量の預金で過大な担保をかけています

このコンセプトでは、1ドルのステーブルコインは、1つを発行する際、担保とするコインを2ドル分預金します。

そのため、ステーブルコインは、200%担保されていることになり、担保とするコインの価値が下がったとしてもたくさんの余裕が生まれていることになります。選択された担保の預金者に対する動機付けは利払いにより行われるのが常です。

BitShares

このような形で担保保障を行った初の仮想通貨はビットシェアーズです。

彼らのプロジェクトでは、自分たちのネイティブ通貨であるビットシェアーズを担保として使用し、ビットUSD、ビットCNY、ビットGoldのような市場固定資産を作り出しました。これらの市場固定資産は(デリバティブ契約)のように取引することができ、担保を効果的に増やすことができます。

Bitshares(BTS)とは?概要や将来性を徹底解説

MakerDao

このメカニズムを使用しているほかのコインとして、メーカーDAOにより開発されたダイがある。ダイは、米ドルに対しペッグされているが、担保にしているのはイーサリアムです

このため、ダイのユーザーは、超過したイーサリアムをスマートコントラクトに固定することでステーブルコインはを生み出すことができます。

スマートコントラクトは完全に自律化されており、管理者を必要としないシステムとなっている。これはつまり、ユーザーが自分たちの担保を利用したい場合、彼らは単にダイの負債を返済すればよいのです。

また、担保が指定された閾値を下回った場合、預金は自動的に売却されます。

 

ハーベン

ハーベンは安定性を達成するために二重トークンシステムを使用しています。

ハーベンのトークンが、ハーベンのプラットフォームに対する担保として機能する一方で、担保の価値に対してステーブルコインであるnUSDが発行されます。

安定性の達成がユーザーに対するインセンティブ(ネットワーク取引費用)により行われることで、ハーベントークンをnUSDに対する担保とします。

問題点

仮想通貨担保型ステーブルコインステーブルコインは、法定通貨担保型ステーブルコインに比べて非中央集権化されており、流動性も高いですが、これもまた安定的かつ日常的に使用できるトークンとなる可能性は低いでしょう。

仮想通貨を担保とした場合、その信頼性ゆえに安定性は低くなります。

また必然的に発生する価格変動を吸収するために過剰な担保保障が必要になります。そのために、機会費用を損失してしまう可能性が懸念されます。

しかし、より重大な欠点として挙げられるのが、安定性を保証するために大変複雑なメカニズムに頼るせいで、多くの潜在的なユーザーが近づきにくいということです

 

無担保型ステーブルコイン

特徴

無担保型ステーブルコインは、資産に裏付けされた担保を保有しないことで、法定通貨をできるだけ模倣することを目標としていて、価格安定性はその代わり、シニョリッジ・シェアと呼ばれる手法により達成されます。

この手法は、スマートコントラクトが準備銀行のような機能をもたせるようプログラムすることで、その通貨がペグされた資産の価値に可能な限り近づくように、その通貨の供給量を増減させることでコントロールします。

これは、基礎的な経済法則である需要と供給により機能していて、例えばコインの取引が高すぎる価格で行われている場合、スマートコントラクトはより多くのトークンを発行し、供給量を増やすことでコインの価値を減らすなどの手法が自動的に実行されます。

 

スマートコントラクト内に存在する超過利潤はシニョリッジと称されます。

もしコインが市場固定資産以下の価格で取引されている場合、スマートコントラクトは流通している供給量の一部を超過利潤で購入し、供給量を減らすことで需要超過を起こし、価格を上げます。

しかし、もしシニョリッジの量が適切なレベルまで価格を引き上げるのに足りない場合、所有者に対し、将来のシニョリッジ(スマートコントラクト内の超過利潤)に対する権利を与える株式を発行することで対処します。

 問題点

最大の問題が、トークンプラットフォームが新規ユーザーを獲得し、成長することができなかった場合、市場にペッグされた価格を維持することが難しくなることです

また、投資家がコインの株式(将来のシニョリッジに対するもの)に対する支払い能力を信頼することに対応する程度で、行使できる引き下げ圧力が限定されることです。

採用例

ベーシスは、短期的には米ドルに対してペッグされる予定だが、所有者がこのコインを商品やサービスの購入に使用するにつれ、最終的には消費者物価指数(CPI)にペッグすることを目標にしています。

一方で、サーガは、国際通貨基金のSDR(特別出金)にペッグされている変動部分準備金によって裏付けされる予定です。

 

ステーブルコインはどのように機能するのか?

しかしプラットフォームを世界規模にスケールさせることができるポテンシャルを持ち、なおかつプライバシーを保証することができるトークンを開発しなくてはなりません。完全に透明化されているブロックチェーン台帳は、事業利益や取引関係の安全を保つために理想的とはいえません。

また、非中央集権化されたステーブルコインが機能するためには、ステーブルコインとペッグされた資産の間の交換レートを第三者機関に頼ることなく、スマートコントラクトなどで自動的に実行されるシステムが存在する必要があります

現在、ステーブルコインの開発は非常に野心的かつ実験的に行われているが、実装・実用性ともに100%な通貨は存在しません

一方で、中央政府による過度な干渉や詐欺などにより、ハイパーインフレなどの被害を受けた国の法定通貨などは、ステーブルコインは最善の策といえます。プログラム次第であらゆる価格変動に対応することができ、既存の法定通貨とほぼ同等のレベルで運用することができ、堅牢な安定性のメカニズムをもつ理想的なシステムを提供することができます。

ヴィタリックブリテンの言葉を借りれば、

安定した価値をもつ資産は必要不可欠だろうか?多くの人間がブロックチェーンに関しては高い関心をもつ一方で、通貨としてのビットコインには無関心であることを考えれば、安定した通貨や複数通貨にとって代わるときが来たのかもしれない」

というように、dAppsによる自律型アプリケーションやサプライチェーンの管理など、通貨としてのビットコインに限定されず、ブロックチェーンに本当に適した新たな用途を模索する必要があるのかもしれません。