2017年末から、2018年初頭にかけて空前の仮想通貨ブームとでも言えるムーブメントが起こりました。
仮想通貨ビットコインの一時2万ドル台という高値を含め、数々の仮想通貨の価格が急騰。多くの億り人を生み出したのです。
その一方で、ブームの後に起こった、ビットコインの急落、仮想通貨取引所Coincheckのハッキング事件などにより、過剰な人気が少し落ち着きを取り戻したのも事実でしょう。
ただ、価格の規模こそ、市場の拡大に伴って大きくはなっているものの、いまだ技術、市場ともに振興である仮想通貨業界ではこうした浮き沈みの激しさは2009年にナカモトサトシ氏の革命的な「bitcoin」の論文が生まれてから、繰り返し起こっています。
こうした中で、今改めて仮想通貨の投資あるいは今後のブロックチェーンによる技術革新に向けて情報を収集しておきたいという方もおられるでしょう。
ですが、常時1000以上もあるといわれる玉石混交の仮想通貨と同様、ネット上に数ある情報も玉石混交です。正しい情報に当たるのはなかなか難しいといえます。
そんなときにお勧めなのが、各仮想通貨の技術概要を示した、「ホワイトペーパー」等の情報を参考にすることです。
この記事では、一時情報を参考にするうえで重要なホワイトペーパーとはそもそも何なのか、またホワイトペーパー以外に仮想通貨情報を調べるうえで、どのようなソースに当たればいいのかについて解説していきます。
目次
そもそもホワイトペーパーとは
ではまずそもそもホワイトペーパーとは何なのか説明していきましょう。
ホワイトペーパーとはその名の通り、白書のことを指します。「文部科学省教育白書」といった言葉を目にした方も多いかもしれませんが、もともとは政府が公開する文章のことを指す言葉です。
こうした意味あいが転じて、マーケティングの分野では、企業が自社製品やサービスの機能や業界動向をまとめたもののことを指すようになりました。インターネット環境が整った現代では、PDFなど容易に閲覧ができる形式で、企業のホームページやメディアに掲載されていることが一般的です。
就職活動時の企業研究で利用したという方もおられるのではないでしょうか。
仮想通貨業界のホワイトペーパーも基本的にはマーケティングで使われる、ホワイトペーパーに近いものなのです。ですが現在の仮想通貨業界が置かれている状況を考えると少し、様相が異なっています。。
仮想通貨業界のホワイトペーパー=技術や仮想通貨の最終的な目的などを記したもの
仮想通貨業界ではホワイトペーパーはユースケースや予想される市場規模から、該当仮想通貨で利用されている技術の仕様を含めた、ほとんど全ての情報が網羅的に掲載されているものを指します。
仮想通貨によってはチームの沿革なども記載されているほど。投資家や購入者向けに、仮想通貨の概要を伝える目的で発行された文章という意味合いを持っているのです。
現状仮想通貨の多数は日本国外で発行されていることもあり、仮想通貨のホワイトペーパーは英語で書かれていることが一般的です。また中には専門的なプログラミングあるいはシステムに関する知識がないと読み解けないものも含まれています。
ここまでの説明だと、語学的なもの以外や、内容が難しいという以外は、マーケティング分野のホワイトペーパーとあまり大きな違いはないのでは?と疑問をお持ちの方も多いでしょう。
ですが、今の仮想通貨業界を考えると、このホワイトペーパーが投資、購入をしていくうえでの重要度は非常に大きく、投資や企業研究の一材料としてマーケティング分野のホワイトペーパーが使われている事実とは大きく異なっています。
事実上本質的な意味で信頼に足る、判断の材料となる情報はホワイトペーパーのみであるといっても過言ではないのです。
なぜホワイトペーパーが重要なのか
ではなぜ今の仮想通貨業界を考えると、それほどまでに重要なのでしょうか。
仮想通貨のサービスはほとんどすべてが試験段階
一つ言えることは、ビットコイン、イーサリアム、リップルの大手3通貨をはじめ、現状ほぼ全ての仮想通貨の技術は試験段階に過ぎないということです。
まだ、一般社会では実用事例は多くなく、本質的な価値を図っている段階に当たります。有名なところでは、仮想通貨イーサリアムの創設者であるビタリック氏が、イーサリアムの現在の価格高騰について「イーサリアムの本質的な役割I(dAppsのプラットフォーム)を考えれば不当に価格が上がっている」という旨の発言をしたことでも知られています。
一部にはビットコインを含む仮想通貨は今後2017年末のバブルともいえる状況を超えて価格が上がるとしているアナリストもいます。ですが、仮想通貨の本質的な価値が明らかになれば、その価値に合わせて自然と価格は落ち着いていくと考えている投資家、アナリストなどの専門家も多く存在しているのです。
また、2018年以降は大手金融機関、機関投資家たちが、仮想通貨市場に参入することが予想されています。現在の仮想通貨市場規模は約50兆円ほど。
数字だけ見ると莫大ですが、実はゴールドマンサックスやJPモルガンなど仮想通貨市場に参入を表明している、大手企業の抱える資産額と同程度、場合によってはそれ以下(AppleやMicrosoftはこれを上回っている)であり、一般的な市場から見ると非常に小さい規模であり、こうした規模の小ささは、仮想通貨のボラティティの一つの要因にもなっています。
場合によっては巨大な企業がその莫大な資産を投入することによって、合法的に市場を操作できてしまうような状況に置かれているのです。
こうした中で色眼鏡を抜きにして、客観的に仮想通貨、ICOを判断するためにはホワイトペーパーのような総合的に情報を得られるものが必要です。
通貨の沿革を理解することができれば、詐欺通貨と、そうではないものを見分けることもできるようになるでしょう。
まずはビットコインのホワイトペーパーを読んでみるのがおすすめ
とは言っても、ビットコインをはじめ仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーンは発展段階。そうした技術的な部分も含めて記載されたホワイトペーパーを初心者の方が読み込むことは簡単ではありません。
そのため、まずおすすめなのが、「ビットコイン」のホワイトペーパーを読み込むこと。ビットコインは現在の仮想通貨ほぼすべてのもととなったもので、ブロックチェーンをはじめとした、仮想通貨の基本的な技術に関する説明がなされています。
また、歴史が長いことからビットコインのホワイトペーパーは日本語による翻訳文もあります。加えて各種解説もネットに情報も豊富。書籍も発売されています。まずはビットコインのホワイトペーパーを参考にするのが、勉強をするうえで効率的でしょう。
ホワイトペーパー以外の情報収取方法
ただ、やはりホワイトペーパーは読み込みづらい、ということもあるでしょう。また、投資をするにあたっては単に通貨の情報を詳しく知る以外にも些細な動きが大事になってきます。
今後、一般企業の参入によって、仮想通貨市場規模が拡大、相場が安定すれば、例えば、ちょっとした仕様変更、企業との提携などの情報もより大事になってくるでしょう。
最後に、そうした情報を収集する上でおすすめなソース元をご紹介したいと思います。
スタートアップの自社メディア(ホームページ、SNS等)
一つは各仮想通貨発行元であるスタートアップの自社メディアです。多くの場合、ホワイトペーパーの内容をかみ砕いた、技術サービスの概要やロードマップ、チームの概要が示されており、ホワイトペーパーを読み込む助けとなるでしょう。
また、急な仕様変更、企業との提携や、技術者の採用などその仮想通貨の市場価値を左右する情報がブログやtwitterにはオンタイムで載せられることもあるため、いち早く価格の上昇を察知することも場合によっては可能です。
海外SNS
次に重要なのが海外SNS情報のチェックです。日本国内ではTwitterやfacebookが有名ですが、海外ではこれ以外にも
これらSNSが連絡方法、企業による情報発信に使われています。
特にTelegramは仮想通貨関連の情報発信用メディアとして、シェアを伸ばし、自社独自の仮想通貨を発行したことでも知られます。
気になったらシェアしてみるのもいいでしょう。
経済紙、および仮想通貨関連メディア
また、仮想通貨は中央集権的な機構は持たないとは言え、まだ成熟しているとはいいがたく、政府の動向、社会の在り方によって大きな影響を受けます。
日本国内では例えば、日経新聞、産経ビズ、東洋経済、フォーブスジャパン、ブルームバーグ日本版といった経済紙を参考にするのがおすすめです。ですが、海外の情報や仮想通貨がらみとなるともう少し専門的な情報が必要でしょう。
その際重要になるのが、海外仮想通貨関連メディアです。日本でも仮想通貨関連メディアは多く存在していますが、海外の情報に関してはインタビュー以外は多くの場合海外に拠点を置く仮想通貨関連メディアの一時情報を参考にしている場合がほとんどです。
いち早く情報を知りたいという場合は直接海外仮想通貨関連メディアをチェックしておくことをお勧めいたします。
cointelegraph CCN bitcoinist coindeskといったメディアが著名です。特にcointelegraphは日本語版もあるので、英語が得意ではないという方も海外初の一時情報に容易にアクセスすることができます。
また仮想通貨専門ではありませんが、米国にある経済専門l局CNBCのウェブメディアも仮想通貨関連情報が豊富なのでおすすめ。
こちらも基本的には英語で情報収集することになりますが、Google翻訳でも大まかな意味、流れをつかむことは可能です。どうしても英語がわからないという方はそういった翻訳サービスを了するのも手でしょう。
SNSによる投資家情報のチェック
また、これ以外にお勧めなのが、SNS上での投資化による情報のチェックです。
投資家の中にはSNS上で、自身の投資銘柄や銘柄解説を行っている人も多く、旬な情報が簡単に手に入ったりもします。
また、すでに投資をした方の現況がわかることもあるので、投資を考えている銘柄があるという方はSNSで検索を掛けてみて、先輩投資家たちの様子を見てみるというのも大事でしょう。
まとめ 積極的な情報収集が鍵
さて、この記事では、仮想通貨情報収集の肝となる、ホワイトペーパーの解説とともに、どのように仮想通貨投資のための情報を手に入れればよいかを解説してきました。
現状仮想通貨は新興市場です。情報も投資資材である通貨も玉石混淆。人に頼るの大事ではありますが、確かな情報を見極め、自分の目で投資に足りるか、それとも足りないか、場合によっては怪しいかどうかを見極めていく必要があります。
ホワイトペーパー以外にも先ほど説明したようにできるだけ多くの情報獲得手段を持ち、積極的に情報を集めていくことが投資を行うカギとなるでしょう。